100mの自己記録を1年間に0.5秒も縮められるものか?
上の表が、陸上陸上女子の100mの歴代ランキングである。
現在の世界記録はフローラレンス・ジョイナーによって1988年に出されたもので、もう20年になる。
ジョイナーは、元々大した選手ではなかったが、ソウル五輪を前に急に強くなった。
当時も、現代も100mで10秒5を女子選手が切るなど考えられないと、生前からたびたび薬物疑惑が囁かれていたが、ソウルから10年後、わずか38歳の若さで心臓発作により急死している。
そのため、灰色の世界記録であるとしている研究者も多い。
ジョイナーに次ぐ記録を持っているのは、マリオン・ジョーンズ。
2007年薬物使用を認め、2000年9月以降の記録は抹消、メダルは返還された。これ以前の記録は残っているのだが、薬物使用後と記録に大差ないことから、やはり黒に近い灰色の記録と目されている。
ドーピング疑惑を除いての世界最高、実質的な世界記録保持者と言われてきたのが、クリスティン・アーロン。
昨年の北京五輪の100mで二次予選敗退をし、35歳で引退をした。
このアーロンの100mのベストが1998年の欧州選手権で出した10秒73だった。
この10秒73に昨日のベルリンの100mで優勝したシェリーアン・フレーザーが、並んでしまった。
シェリーアン・フレーザーは、昨年北京五輪の100mでは10秒78で金メダルを獲った。
この記録はトーリ・エドワードと並んで2008年のランキングトップの記録なのだが、実は2007年まで、彼女はは無名の選手だった。
2007年に大阪で開催された世界陸上、シェリーアン・フレーザーはジャマイカチームに帯同していたが、出場したのは4×100リレーの予選のみ。
リレーの決勝も、個人種目も全く出場しなかった。
100mの年ごとのベストは次のようになる。
2006年 11.74
2007年 11.31 ジャマイカ代表補欠
2008年 10.78 北京五輪金メダル
2009年 10.73 ベルリン世界陸上金メダル
▲1年間に0秒53縮めている
筆者は陸上競技の専門家ではないので判らないが、果たして女子選手が100mで、1年間に0秒5も縮めることなどあるのだろうか。
まるでジョイナーのようだ。
ジョイナーといえば、年度別の記録は今となってはなかなか出てこないが、銀メダルだったロス五輪と金メダルを獲ったソウル五輪の200mの比較が出来る。
1984年 ロス五輪銀メダル 22秒04
1988年 ソウル五輪金メダル 21秒34
▲4年間で0秒7縮めている
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Comments
はじめまして
やはりジャマイカは組織的に何かやってるな、、、と思ってらっしゃいますか?
だとすればアメリカと違いそれほど科学的な先進国ではないジャマイカで、なぜそれが可能だとお考えですか?
Posted by: mass | August 25, 2009 11:32 PM
ベルリンの記者会見でもボルトへの海外メディアの質問は、大半がドーピングにまつわるものでした。
しかし、ボルトもフレーザーも尿検査は白です。
ただし、ジャマイカは今年6月のジャマイカ選手権で興奮剤に陽性反応を示した選手が5人出ています。
5人という数字から、組織的なものも伺えますが、現段階では違反はない、としかいえません。
Posted by: 管理人 | August 26, 2009 12:38 PM