勝者なきIOC評価調査報告 でも東京一歩リードか?
今年の4~5月に2016年夏季五輪に立候補した4都市の評価報告書がIOCから出された。
その一部を紹介しよう。
これによると、本命は見えてこない。
CHICAGO
シカゴが評価された点は、コンパクトな計画だ。
選手にとっても、観客にとっても移動時間は最小にされている。市の中心から8kmの中にほとんどの競技施設がある。
しかし、五輪開催時に、この地区の通勤者が使う鉄道の利用率が2倍になる。
鉄道が、期間中の観客の輸送の2/3を扱うと予想される。
また、赤字が生じた場合、7億5000万ドルを上限とする補てんは保証されたが、IOCの求めている財政的補償を、招致委員会は完全に満たすことができない。
TOKYO
1964年に五輪を開催した東京は、コンパクトな計画、効率的な交通機関システムが整い、さらには4000億円の基金が既に用意されている。
しかし、都民による支持は4都市中最も低い。
そして、計画されている競技施設が本当に必要かどうか懸念がある一方、既存施設と記載されながら、実際には建設する必要がある多くの施設がある。
MADRID
2012年大会に引き続き立候補したマドリードは、4都市の中で最も高い市民の支持を得ている。
必要とされる33の競技施設のうち23が既にあるが、残りの施設の建設費用について懸念がある。
また、国内法が反ドーピング基準に適合していない可能性がある。
RIO DE JANEIRO
南米初の五輪開催をめざすリオデジャネイロ。
ホテルが不足し、観光船の使用で補おうとするが、セキュリティの面で不安を禁じ得ない。
五輪開催時の交通輸送システムの不足はは懐疑的とさえ言える。
*「東京に辛口」と伝えるメディアがあるが、やはり東京一歩リードではないだろうか。
東京のマイナス要素は、都民による支持の不足と、選手村、五輪スタジアム周辺の交通。
ただし支持の不足は"relatively low"「比較的低い」と表現され、致命的ではないと見られる。
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Comments
いよいよあと1カ月ですね。
私も世論の問題を指摘されるのは、仕方がないと思っていましたが、予想外だったのは選手村やメインスタジアム周辺の輸送を指摘されたことです。
でもGAMES BID の投票で東京は2位に上がりましたし、独の専門誌ではトップ評価を得たんで、現在の東京は後退してないという判断でいいのでしょうか。
Posted by: 石井 | September 02, 2009 11:33 PM
GAMSBID.COMの投票は確実に組織票ですね。(笑)
ネット時代の招致活動は、英語の苦手な日本人には不利です。
リオとマドリードの一騎打ちという展開になるかもしれません。
Posted by: 管理人 | September 03, 2009 10:38 AM
選手村に対して低い評価は案外. これから一ヶ月結果が大変知りたいんですね. 日本で活動しているケニアマラソン選手のプレゼンテーション参加を希望します. アフリカ表に肯定的な影響を与えることと思います. 誰より日本をよく分かって,東京の切り札になることができます.
Posted by: Tokio | September 03, 2009 12:34 PM
TOKIO様
GOOD IDEAですよ。
北京五輪マラソン金メダルのワンジル(仙台育英高卒)など日本育ちのアフリカ選手は沢山います。
これは早速提案ですね。
Posted by: 管理人 | September 03, 2009 12:56 PM