韓国の描く 金妍児金メダル~平昌五輪招致のシナリオ
世界的なスポーツイベントである夏季五輪、冬季五輪、サッカーW杯の3つを一つの国で開催することをグランドスラムと呼ぶことがある。
というのも、3大スポーツイベントを開催した経験のある国は、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、日本の5カ国しかない。
これに、6カ国目を目指している国が2つある。
スペインと韓国だ。
1988年のソウル五輪、2002年のW杯を開催した韓国。
1982年のW杯、1992年のバルセロナ五輪を開催したスペイン。
どちらもグランドスラムまで冬季五輪だけだ。
先週、2018年の冬季五輪の立候補が締め切られた。
立候補した都市は
平昌・韓国
アネシー・フランス
ミュンヘン・ドイツ
の3都市。
平昌は、2010年・2014年に続いての3回目の挑戦となる。
無名だった2010年はともかく、2014年は自他共に認める「本命」だったにも拘らず、プーチン大統領がIOC総会のプレゼンで、英語・仏語を披露したソチに逆転でされた経緯がある。
3度目の挑戦に向けて、平昌は着々と準備を進めている。
2009年冬、平昌で2つの冬季競技の世界選手権が開催された。
ひとつは世界バイアスロン、もうひとつは世界スノーボード。
(厳密にいうと、開催地はバイアスロンが平昌、スノーボードが江原道)
バイアスロン、スノーボードとも日本でも世界選手権が開催されたことがなく、初のアジア開催だった。
地道に冬季競技の開催実績を積み立てている。
そして、平昌招致の切り札となりそうなのが金妍児の存在だ。
浅田真央の存在を脅かす金妍児、バンクーバー五輪で金メダルを獲って、2011年のIOC総会(南アフリカ・ダーバン)に臨むという青写真ができつつある。
金妍児の存在は、韓国の冬季競技がショートトラックやスピードスケートだけでないことを示す象徴だ。
同じくアジアから2018年冬季五輪をめざしてきたハルビン(中国)が、締め切り直前に立候補を取り止めた。
表向きは、「他の立候補地の優位性やインフラの不十分さから、中国政府の許可が下りなかった」ということになっているが、アジアの票が割れることを恐れた平昌側からの干渉があったことは容易に推測できる。
さて、もうひとつのグランドスラムをめざすスペインだが、東京同様にマドリードが、2016年夏季五輪招致に敗れたことはご承知だろう。
マドリードの招致に集中していたのだろう、2018年冬季五輪立候補の準備はしていなかった。
そのため、2022年の冬季五輪に、ハカ・サラゴサ・ウエスカの3都市の共同開催で立候補すると表明した。
これまで、ハカの単独で平昌を上回る4回の招致失敗を続けるスペイン。
果たして、韓国とスペイン、どちらがグランドスラムを達成できるだろうか。
●参考記事
平昌 3回目の冬季五輪立候補決める
The comments to this entry are closed.
Comments
私は韓国 全州で住んでいます. 97年冬季ユニバーシアード開催地です. 元々 全州と 茂朱で冬季オリンピックを開催することに推進したが, 平昌に滞って挫折されました. 残念!
Posted by: Tokio | October 21, 2009 03:04 PM
韓国内の冬季五輪候補地を決める際に、茂朱と平昌で激しい争いをして、2010年は平昌。
もし平昌が落選したら、2014年は茂朱が立候補の優先権を持つ、とされたのでしたね。
でも、FISが、スキー場は平昌が適切と判断し、平昌が2014年、2018年と立候補することになったと記憶しています。
Posted by: 管理人 | October 21, 2009 03:43 PM