選手も変わる・組織も変わる ロンドン五輪効果の英国がうらやましい
ロンドンで行われていた世界体操選手権が閉幕した。
男子の個人総合で内村航平が優勝、女子の個人総合で鶴見虹子が2位、さらに男女とも種目別で銀メダルが出た。
が、なんといっても驚いたことは男子の個人総合で、地元英国の選手が2位になったことだ。
日本では、優勝した内村航平の陰に隠れてしまっているが、ダニエル・キーティングという19歳の選手だ。
キーティングは、昨年の北京五輪にも出場しているが、芽が出たのは今年になってから。
今年の欧州選手権の個人総合でもファンビューへンに次いで2位に入っている。
これまでの英国の男子個人総合の最高順位は、1994年ブリスベーンの世界体操での16位だったというから、その快挙振りがわかるだろう。
英国の女子体操界にはエリザベス・トウェドルという世界的な選手がいる。
南アフリカのヨハネスブルグ生まれのトウェドルは、2006年の世界体操の段違い平行棒で優勝し、北京五輪でも同種目に4位に入った選手だ。
現在24歳のトウェドルは、「ロンドン五輪は現役かわからないけど、今年の世界体操まではがんばりたい」。と話していた。
トウェドルは段違い平行棒のスペシャリスト、ロンドン世界体操でも、段違い平行棒の金メダルを狙っていた。
ところが、
予選で自らの名前のついた「トウェドル」という技で落下してしまう。
種目別決勝に進める8人に残れなかった(18位)。
しかし、もう一つの得意種目床運動では4位で決勝に駒を進め、12000人のO2アリーナの観衆の興奮が最高潮に達する中、金メダルを手にした。
そうするとメディアからは、3年後のロンドン五輪にも期待する声が上がってきている。
2012年、27歳のトウェドルが、再びO2アリーナに現れるか、興味は尽きない。
こういった、これまで不毛と言っても良いくらいの競技でも、世界に通用する選手が出てくる。
これこそがロンドン五輪効果だ。
もちろん、金銭を掛けての強化も進んでいるのだろう。
でも、それ以上に大きな目標に向けて、英国のスポーツが活気付いているのだ。
選手の環境も変わる、競技団体の組織も体質も変わる、選手・役員の意識も変わる、五輪が来るとはこういうことなのだ。
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Comments
日本開催となれば、きっとロンドンでメダルが増えるでしょうね。招致に失敗した今、ロンドンでは北京の金メダル数を下回ってほしくないです。柔道5 競泳2 体操2 レスリング3 計12を最低でも獲得しないと...。
Posted by: 石井 | October 20, 2009 03:48 PM
今回の東京招致でも、国内向けには、日本のスポーツ界をどうしたいのか、ということを明確にイメージさせるべきだったと思っています。
Posted by: 管理人 | October 20, 2009 10:09 PM