パイロットの道を暫し中断し五輪に挑む ハンヌ・マンニネン
2010 Vancouver
1月2日 ノルディックスキー複合のW杯の個人第8戦が、ドイツのオベルホフで行われ、フィンランドのハンヌ・マンニネンがW杯通算47度目の優勝を飾った。
マンニネンは現在31歳。
長野五輪の前に彗星のようにデビューし、あっという間に複合の第一人者になった。
W杯通算47勝は、2位以下に大差をつける圧倒的な勝利数だ。
このマンニネンが、スキーファンを驚かせたのが昨年5月、突然の引退を発表したのだ。
その理由が凄い。
「航空機のパイロットになるため」
その2ヵ月後にはフィンランド航空のパイロット養成機関に入っていた。
ところが、さらに半年後の8月、突然の復帰宣言。
長野銀、ソルトレークシティ金、トリノ銅と五輪の3種類のメダルは獲ってはいたが、全て団体のメダル。
やはり個人のメダルが欲しかったのではないか、といわれている。
復帰後、今季既に2勝。
ソルトレークシティ五輪では、クロスカントリー(距離種目)のスプリントで、8位入賞したこともある自慢の走力は健在だ。
そんなマンニネンもパイロットへの道をあきらめた訳ではない。
W杯の参戦を絞り、勉強も続けている。
ノルディック複合の通算勝利数のランキングを作った。
日本人選手の最高はいわずと知れた荻原健司氏の19勝。
かつては通算勝利数でも1位だったが、現在は6位にまで下がっている。
とはいうものの、日本人選手でW杯で勝利した選手は他に、高橋大斗(2勝)がいるのみ。
リレハンメル五輪で、個人銀メダルを獲った河野孝典氏も、最高順位は2位が最高で優勝したことはない。
10位にマリオ・シュテヒャーがいる。
1997年、白馬で開催されたW杯に勝利した際
「複合のピークは10代、荻原はおじさんだ」
と言って物議を醸した。
こんなマリオも32歳になったが現役だ。
これは荻原が現役を退いた年齢でもある。
●ノルディック複合W杯算産勝利数
|
名前 |
国籍 |
引退年 |
勝利数 |
五輪金 |
1. |
ハンヌ・マンニネン |
FIN |
現役 |
47 |
団体 |
2. |
ロニー・アッカーマン |
GER |
現役 |
28 |
なし |
3. |
ビャルテ・エンゲン・ビーク |
NOR |
2001年 |
26 |
団体・個人 |
4. |
サンパ・ラユネン |
FIN |
2004年 |
20 |
3冠 |
4. |
フェリックス・ゴットワルト |
AUT |
2007年 |
20 |
個人・SP |
6. |
荻原健司 |
JPN |
2002年 |
19 |
団体 |
7. |
マグヌス・モーアン |
NOR |
現役 |
14 |
なし |
7. |
クラウス・ズルツェンバッハ |
AUT |
1992年 |
14 |
なし |
9. |
ビョルン・キルヒアイゼン |
GER |
現役 |
13 |
なし |
10. |
フレッド・ボーレ・ルンベルク |
NOR |
2000年 |
9 |
団体・個人 |
10. |
マリオ・シュテヒャー |
AUT |
現役 |
9 |
団体 |
|
高橋大斗 |
JPN |
現役 |
2 |
なし |
|
河野孝典 |
1995年 |
なし |
団体 |
SP=スプリント
ノルディック複合3冠=団体・個人・スプリント
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Comments
河野孝典さんは、1993/3/12のオスロでのワールドカップで優勝してますよ。
Posted by: 複合ファン | February 06, 2011 06:52 AM
ご指摘ありがとうございます。
確かにオスロで勝っていました。
Posted by: 管理人 | February 06, 2011 11:10 AM