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February 03, 2010

冬にもいる オリンピック4連覇

度々このブログで話題にするのだが、同一種目での五輪連覇は幾つが最高であるかご存知だろうか。
答えは4連覇である。
3連覇で8年、4連覇なら12年の年月が必要になる。
夏季五輪で4連覇を達成したのはたったの二人。
陸上円盤投げのアルフレッド・オーター(アメリカ)と陸上走り幅跳びのカール・ルイス(アメリカ)である。

レスリンググレコローマン130㎏級のアレキサンドル・カレリン(ロシア)、陸上やり投げのヤン・ゼレズニー(チェコ)、重量挙げ85㎏級のピロス・ディマス(ギリシア)といった五輪史上に残る大選手も、3連覇まではやってのけたが4連覇はならなかった。

実は、冬季五輪にも4連覇を達成した選手がいる。
が、余り知られていない。
というのもバイアスロンのリレーでの4連覇だからだ。

バイアスロン、恐らく日本では最も競技人口の少ない五輪種目のひとつだろう。
クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせた競技で、1960年のスコーバレー大会から正式競技になった。

バイアスロンのリレーで4連覇を達成したのはアレクサンドル・チーホノフ
旧ソビエトチームの一人として、1968年グルノーブルから1980年レークプラシッドまで4個の金メダルを獲った。
日本のバイアスロンの選手が、ほぼ陸上自衛隊の冬季戦技教育隊に限られるように、他の国でもバイアスロンの選手はほとんどが軍人だ。
チーホノフも旧ソ連軍の陸軍将校だった。

4人で行われるバイアスロンリレー。
チーホノフは、1968年、72年は第1走者、76年はアンカー、1980年は第2走者としてソ連の五輪優勝に貢献。
ちなみにソ連は、ソ連として出場した88年カルガリー大会まで6連覇を果たしている。
また、チーホノフ自身は、1968年には個人20キロで銀メダルも獲った。

チーホフは、1991年のソ連崩壊後は実業家に転身。
食肉の加工業で儲け、ロシアバイアスロン協会の会長を務めるなど後進の指導に当たってきた。

2000年実弟とともにケメロヴォ州知事アマン・チュリエフの暗殺を企てたとして有罪、懲役3年が宣告された。
が、その後恩赦となり、現在はオーストリアに住んでいるという。

●アレクサンドル・チーホノフ バイアスロンリレー4連覇
Photo


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