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February 10, 2010

北京をも上回るバンクーバーオリンピックの警備費用

2001年9月11日にアメリカで同時多発テロが起こり、これ以降の五輪には、巨額の警備費が投入されるようになった。
特に同時多発テロからわずか半年後の開催となった、ソルトレークシティ五輪から飛躍的に増えている。

莫大な警備費用を要するのは、バンクーバー五輪も然りだ。
開催地決定の頃(2003年)、大会警備費用は1億7500万カナダドルと見積もられていた。
ところが、7年の時間が経つにつれて大きく増加、オバマ米大統領が大会を視察すると言う話が出た頃には9億カナダドルにまで膨れ上がっていた。

オバマ氏が訪加を見送ったことで、警備費用の見込みは若干低くなり、7億1500万ドル(約679億円)程度におさまる見込みだ。

それでも招致の際の、見積もりの5倍以上という予算規模だ。
この費用は地元ブリティッシュコロンビア州が2億ドル(約190億円)を負担し、残りの費用はカナダ政府が負担するという。

現地バンクーバーでは、1月下旬からパラリンピック閉幕後の3月下旬までの約2カ月間に、公的機関に所属する約1万500人に民間の警備関係者約4800人を加えた体制で警備が続けられている。

●近年の五輪の警備費用
1996年アトランタ五輪 約1億ドル(推定)
2000年シドニー五輪 約3億ドル(推定)
2002年ソルトレークシティ五輪 3億1000万ドル(約400億円)
2004年アテネ五輪 10億ユーロ(約1300億円)
2006年トリノ五輪 9000万ユーロ(約126億円)。
2008年北京五輪 5億ドル(500億円)
2010年バンクーバー五輪 7億1500万カナダドル(約679億円)

警備費は、五輪運営費や建設費とは別に、開催国政府にかかる重い負担となる。
筆者は、この巨額費用が五輪招致に立候補する都市の数を少なくするだろうと見ている。

テレビでは華やかな舞台しか映らないが、五輪施設は、セキュリティー検査機器であふれている。
ごとの競技会場の警備も想像を絶する。室内競技の会場では、監視カメラが観客ひとりひとりの顔を写し、テロと関係した人かどうかすぐに調べている。まして選手村のセキュリティは、言うまでもない。

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