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April 06, 2010

ロイ・ジョーンズJr(41歳) バーナード・ホプキンス(45歳)に敗れる

何とも懐かしいボクサーの名前がニュースの中にあった。

彼の名はロイ・ジョンーンズJr

ミドル級出身ながらヘビー級の王座を獲得した2人目のボクサーであり、ミドル級、スーパーミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級の4階級を制覇した往年の大選手である。
が、このサイトにおいては、むしろ1988年ソウル五輪ライトミドル級決勝で、地元韓国の朴時憲を圧倒的に攻めながら 不可解な判定で銀メダルに泣いたボクサーとして度々出てくる。

このロイ・ジョンーンズJrが、なぜ今頃ニュースになったのか?
元4団体統一世界ミドル級王者のバーナード・ホプキンスとラスベガスで対戦し、ロイ・ジョーンズJrが敗れたというのだ。
実はこの2人、1993年5月22日に空位だったIBF世界ミドル級王座を懸けて対戦し、ロイ・ジョーンズJrがホプキンスを敗っている。
バーナード・ホプキンスは、17年前の雪辱を果たしたという訳だ。

これはいわゆるエキジビションマッチであり、タイトルが掛かっていたわけではもちろんない。
ラスベガスでは、こうした往年の名ボクサーのエキジビションマッチは度々行われている。

それにしても年齢を見て驚いた。
バーナード・ホプキンスは1965年1月15日生まれの45歳、ロイ・ジョーンズJrは1969年1月16日生まれの41歳。
なんとも凄い対戦である。


よい機会だから、ロイ・ジョーンズJrについて付け加えておこう。
ソウル五輪で不正と思われる試合に敗れ、金メダルを失ったロイ・ジョーンズJrとUSOCは、その結果を覆そうと10年に渡ってIOCを相手に戦い続けた。

その結果ソウル五輪から10年目の1997年2月に、「ロイ・ジョーンズJrにも金メダルを」と、まとまりかけるが、結局その5月にメダルの色は変わらないことで決着した。
その当時の読売新聞にこんな記事が出ている。

ソウル五輪ボクシングの判定疑惑、灰色決着/IOC

 1988年のソウル五輪のボクシングライトミドル級決勝で米国選手が地元の韓国選手に23の判定で敗れたのを不服として、米国五輪委員会(USOC)が調査を求めていた問題で、国際オリンピック委員会(IOC)理事会は20日、「不正を証明する新たな事実は見当たらなかった」との判断を示した。IOCのカラード事務総長らによる調査団が、担当したモロッコ人審判らから事情を聞き、結論に達した。

 しかし、この審判は大会期間中に他のアフリカの国の審判とともに、現金300米ドルをソウル五輪組織委員会から受け取っていたことも認めた。その趣旨については「食費の足しに、ということであり、その金には何の条件もついていなかった」と話したという。(読売新聞1997.05.21


スポーツでは、一度決まった勝敗は何があっても覆らないことが基本だ。
判定(勝敗)がいちいち調停裁判に持ち込まれては、スポーツは成り立たないからだ。
ソウル五輪でのロイ・ジョーンズJr、シドニー五輪柔道の篠原など、判定が波紋を呼んでも、結果が覆らなかったのはそのためだ。

であったにも関わらず、2002年ソルトレークシティ五輪のフィギュアペアでロシアとカナダの2組に金メダルが贈られたことは、結果として五輪史に残る汚点を残る汚点となった。
IOC理事会の決定に際し反対に回った中国のIOC理事何振梁氏は、「どんな理由でも競技結果を覆すのは危険な前例を作る」と、2002年当時に警告していた。
現在のフィギュアスケートの不明瞭さの原点は、やはり2002年にある。

●ロイ・ジョーンズJrの記事
ソウルオリンピックのボクシングも酷かった




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