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May 14, 2010

2022年W杯日本招致は可能だろうか

サッカーW杯の開幕を前に、2018年、2022年の本大会の招致レースも佳境に入ってきた。
今年の12月 FIFAの理事会で2018年、2022年の本大会の開催国が一度に決められる。
これまで、2大会の開催国が一度に決められることはなかったのに、なぜ2大会を一度に決めるのだろうか。

W杯開催の持ち回り制は機会均等を目指し、ドイツ大会が決まった2000年に導入された。
これにより2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会が決まった。
するとFIFAのブラッター会長は「10年大会を初めてアフリカにもたらし、14年大会も久々に南米で行われる。目的は果たされた」と各大陸連盟で持ち回り開催する方式をわずか2大会で撤廃してしまった。
2018年大会から、直近の2大会が開かれた大陸以外の協会が自由に立候補できるように改めたのだ。

これにはウラがある。
今回、2014年の開催地は南米の番になったが、立候補した国はブラジルのみ。
FIFAは、立候補した有力国を競わせて、大会の質を上げることへの効果を狙っている。
もうひとつ、イングランドが2018年開催に並々ならない関心を持っていたのだ。

ドイツで開催された2006年大会にはイングランドも立候補していた。
1990年代、W杯かEUROの開催に意欲的だったイングランドとドイツは、1996年のEUROはイングランド、2006年のW杯はドイツが開催国になれるように事前に談合していたとされる。
ところが、96年EUROのイングランド開催が成功すると、イングランド世論はW杯招致を求めるようになった。
2006年大会にはイングランドとドイツが立候補し、結果、FIFA理事会の欧州票は分裂、ドイツは辛くも南アフリカを降ろして開催が決まったものの12対11の際どい勝利だった。

それでもイングランドはW杯をやりたい。
プレミアリーグの成功で、資金が潤沢にあるFA(イングランドサッカー協会)が密かにFIFAに大陸持ち回り撤廃を要求したというのだ。

2018年・2022年大会立候補国
イングランド
ベルギー・オランダ共催
スペイン・ポルトガル共催
ロシア
アメリカ
オーストラリア

2022年大会立候補国
日本
韓国
カタール

2018年大会は欧州での開催が有力視されている。
2010南アフリカ、2014ブラジルのあとは、確実な運営と収益が見込まれる欧州開催がFIFAの意向でもある。
これを感じた日本は2018年大会招致をあきらめ、2022年に絞った。

仮に、2018年大会がイングランドに決まると、2022年大会は欧州では開催できないため、
日本のライバルは
アメリカ
オーストラリア
韓国
カタール
となる。

1994年に開催されたアメリカ大会の総入場者数は52試合で3,587,538人。
これは64試合で3,353,655人だったドイツ大会をも上回る史上最高の入場者数だ。
とはいうものの、多くの競技場がアメリカンフットボール競技場だったことや酷暑、国内の遠距離移動が問題となった。
オーストラリアは決まれば初開催になるが、人口が2100万人と少ないこと、欧州との時差がネックとなる。(これは日本もそうなのだが)
カタールは人口僅かに140万。
欧州からの近さと、競技場にエアコンの導入を計画しているが・・・。

日本と韓国の欠点は2002年からの間隔が短かすぎること。
でも8年前の日本のホスピタリティを評価する声は、FIFA内部にも多いという声がある。

2022jpn_2
現在のFIFAの内部規定に、開幕戦と決勝戦は8万人以上の収容設備のある競技場と明記されている。
2002年に決勝を行った日産スタジアムも条件は満たせない。
FIFAに提出した資料には大阪梅田駅近くにエコ・スタジアム(仮称・仮設で8万人収容)を作り、開幕戦と決勝戦に対応するとしている。
が、その費用は1000億円。どこが負担するか不明だ。

2018usa
アメリカの計画書には上記のスタジアムが記されている。
このうち、1994年大会の会場だったところは僅かに2ケ所しかないから驚きだ。

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