年齢詐称は朝飯前?
今年のGWは開幕したばかりの上海万博が話題になった。
上海万博PRソングが岡本真夜の「そのままの君でいて」という歌にそっくりで、盗作ではないかと騒ぎが起きた。
岡本の所属事務所には、万博事務局から楽曲使用申請があったそうだが、この歌は開会式では歌われなかったという。
万博には直接関係ないのだが、2000年のシドニー五輪体操団体で、銅メダルを獲っていた中国女子チームのひとり、董芳霄が年齢を2歳詐称していたため、IOCからメダル剥奪を言われていた問題で、中国五輪委員会と中国体操協会は、「IOCの勧告を尊重し、1週間以内にシドニー五輪で獲得した銅メダルを返還する」と発表した。
これが万博開幕2日前の4月29日のことだ。
世界が注目する大イベントの開幕前に、中国のイメージを落とす話題の火消しに躍起になったというところだろう。
董方霄はFIG(国際体操連盟)及びIOCに対し、1983年1月20日生まれの17歳と登録して同五輪に出場したが、当時実は14歳で、FIGの定める五輪出場最小年齢の16歳に達していなかった。
実の年齢がばれたのは、2008年北京五輪の中国体操チームのチーム付役員として董方霄が参加した際だ。
1986年1月23日生まれと、シドニー五輪時とは、異なる生年月日を登録していたのだ。
これに伴ってFIGの理事会は既に、シドニー五輪や1999年世界選手権時の記録などについて、抹消することを決定した。
そして、シドニーの団体銅メダルは、4位の米国が繰り上がることになった。
シドニーの際には、他にも段違い平行棒で銅メダルを獲得した楊雲という選手も調査対象となっていたが、証拠不十分として警告処分に留まっている。
シドニー五輪の女子体操は、日本が団体出場権を獲れず、竹中美穂と山脇佳奈の2名が個人総合に出場しただけで、メディアにもあまり取り上げられなかった。
そのため印象がどうしても薄い。
当の董方霄は、2001年の第九回全国運動会の河北省チームの一員として団体と床運動に優勝したのち、表舞台から消えた。
大怪我をしたと言われていた。
車椅子の生活からリハビリを経てコーチとして参加した北京五輪では、「7年掛けて再び五輪の舞台に帰ってた」と美談として中国メディアには取り上げられていたともいう。
大怪我?
本当だろうか。
前々回に書いた佟文のときと同様に、当局にとって都合の悪い董方霄を消したのではないか?
そして凄いことに年齢詐称がはっきりすると、董方霄が個人的に企てたことであって、中国体操協会や国家は関係ないと言い張っている。
ついでに記すと、金メダルを獲った2008年北京五輪の中国女子団体メンバー6人の内、3人が年齢詐称ではないかと騒がれた。
2つの生年月日を持つ選手がいるのだ。
前者は北京五輪での生年月日、後者はそれ以前に公表されていた生年月日だ。
これについて北京五輪時にFIGは、とりあえず「お咎めなし」としたが、自国で五輪開催中の中国の面子を立てるよう圧力がかかっていたとしたらどうだろうか。
また10年位して金メダル剥奪となるかもしれない。
●北京五輪中国女子体操団体金メダルメンバー
程菲 1988年5月29日生まれ
鄧琳琳 1992年4月21日生まれ
何可欣 1992年1月1日生まれ 1994年1月1日生まれ?
江鈺源 1991年11月1日生まれ 1993年10月1日生まれ?
李珊珊 1992年2月22日生まれ
楊伊琳 1993年8月26日生まれ 1992年8月26日生まれ?
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