鄭夢準とビン・ハマム W杯カタール開催のウラを読む
2018年と2022年のW杯の開催国がロシアとカタールに決まり、そろそろ一週間になる。
少々忙しくてなかなか更新ができなかったのだが、少しだけ触れようと思う。
●2022年W杯開催国投票結果
▼韓国 鄭夢準の当初の目的はカタールつぶし?
今回の2018・2022年W杯の立候補は、2009年2月に締め切られている。
イングランドや米国、ロシア、カタール、日本など当初から立候補が噂されていた国のほかに韓国がぎりぎりのところで手を挙げた。
これに対し多くは、「日本の単独開催を阻止したい韓国が急遽手を挙げた」と見ていた。
本当にそうだったのだろうか?
もちろんその意味も十分にあっただろうと思う。
が、鄭夢準の狙いはカタールつぶしだったのではないだろうか。
アジアサッカー連盟(AFC)のビン・ハマム会長(カタール)は、FIFAの理事をも兼任する。
現在4期目だが、昨年の改選の際は薄氷の勝利だった。
AFCにおけるハマムの功績は十分ある。
アジアチャンピオンズリーグの創設や、豪州のオセアニアからの転籍などだ。
が、AFC予算の大半は日本のスポンサー企業の出資であり、ハマムへの風当たりは強かった。
にも拘らずハマムは、東西アジアの中間に位置し、AFCが本部を置くマレーシア政府に、AFC役員の外交官特権や施設の無償援助を強硬に要求し、顰蹙を買っていた。
こうした余りに独善的な運営方法に対し、良識派の日本や韓国からの反発を招いていたのだ。
それを受けて2009年5月のFIFA理事選は、改選というよりもハマム信任投票の色合いが濃かった。
反ハマム陣営はカタールの隣国 バーレーンのシェイク・サルマン協会会長を擁立する。
そして日韓は積極的な支持を打ち出した。
これに対しハマムは、サルマン陣営が票を買収しているなどの情報を流したほか、AFCの大会に出場していないなどとクレームを付け、モンゴルやアフガニスタンなど4カ国の理事選の投票権を剥奪しようとした。
こうして泥仕合になり、鄭夢準は「ハマムはFIFAよりも精神病院に行くべきだ」とまで言い切っていた。
ハマム(カタール)23票
サルマン(バーレーン)21票
無効 2票
結果、2票差でハマムが勝利し、理事の座は守られた。
W杯立候補の締め切り時は、この泥仕合の最中であり、韓国=鄭夢準の立候補にはカタール開催阻止もあったと筆者は推測する。
▼狙いはFIFA会長選か?
その後ハマムと鄭夢準は、急速に雪解けしたと見られている。
同じ2022年W杯開催を競うはずの2人がなぜ近づいたか。
バーター取引をしようとしたのではないか?
今回の2022年W杯の投票で、韓国は3回目に脱落をした。
が、これはシナリオ通りだったのではないか。
韓国はW杯招致に関しては、得意のロビー活動はほどほどにして最後はカタールに勝たせる。
来年、FIFAは会長選挙を迎える。
現在73歳のブラッター会長(スイス)は、次期もやる気満々だが、この会長選に恐らく鄭夢準は立候補してくるだろう。
ハマムと鄭夢準 互いにFIFAの中で影響力のある2人が裏取引をしていたとしたらどうだろう。
W杯はカタール
会長選は鄭夢準と。
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