続 1500m自由形
4月9日に宮崎陽輔が1500m自由形で、日本人で初めて15分の壁を破る14分57秒56という記録を出した。
この記録は果たして世界でどのくらいの位置にいるのだろうか。
今季は2位、2010年では6位に相当し、さらに世界歴代29位の記録になる。
歴代10傑の記録の内6は、2008年前後に出された記録だ。
これは、当時世界を席巻していた高速水着の影響だ。
高速水着は2010年以降制限されており、そうした中での14分台は極めて価値が高い。
1976年以降の1500m自由形の五輪金メダリストは、9大会で6人いる。
金2銀1を獲ったグラント・ハケットの世界記録が11年間に渡ってトップにあるが、中国の20歳孫楊がハケットの世界記録を射程内に入れている。
この夏の世界水泳は中国・上海。
孫楊の世界新の可能性は、極めて高いだろうと思う。
ハケット同様に五輪で金2銀1を獲ったパーキンスの1994年の記録が、いまだ世界6位にあるのは驚きだが、人類で初めて15分の壁を破り、五輪金2のウラジミール・サルニコフの記録が世界21位。
モントリオール五輪ではサルニコフに勝ったブライアン・グッデルの記録が46位、ソ連や東独が来なかったロサンゼルス五輪を制したマイケル・オブライエンの記録が54位に残っているのが興味深い。
調べていくと、グッデルは身長が173センチとある。
確かに小柄選手だったという印象だが、平均190センチが揃うこの種目にあって173センチとは驚いた。
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Comments
こんばんは。ご無沙汰しております。
仕事にどうも余裕がなく、こちらにあまりアクセスできないでいました。すみませんです。
宮本選手、日本人初の14分台、やりましたね。
この話題、必ず管理人さんは書いていらっしゃると思って、やってきました。
15分を切るのは、松田丈志しかいないと思っていたので、彼があまり1500を泳がなくなって、寂しく思っていましたが、ようやく有望な選手が出てきました。
アジアでは、こちらのリストに載っている孫楊、張琳、そして朴泰桓に次ぐ記録ですが、朴泰桓の1500のベストは5年前だし、この宮本の記録なら勝てそうな気もします。
問題は、高速水着が制限された今回の世界選手権で、たとえば決勝に残れるタイムはどれくらいになるんでしょうかね。
朴泰桓は北京では15分ちょうどくらいで、16位でしたが、高速水着でないなら、15分さえ切れば楽々行けるような気もします。
ところで、サルニコフ、私も好きですよ(笑)
というより、この1500m自由形というこの競技自体が好きですね。
接戦になった時に、ターンを繰り返しながらデッドヒートが繰り広げられるシーンは、水泳観戦の中でも最も面白いものと思っています。
日本は戦前の北村、寺田、戦後の古橋、橋爪、そして山中などの名選手を出していますしね。
東京五輪の水泳は、惨敗の印象がありましたが、佐々木末昭が1500mで6位に入ってるんですよね。今では決勝に行ければ立派なわけですから、恥ずかしい成績ではないですよね。その後は、決勝進出はないですか?
っていうより、その後、例のどん底時代に入りますから、出場すらあまりしていないですものね。
ともかく宮本選手には、まず決勝進出、中国の二人は強いけど、何とかメダル争いをしてほしいものです。
Posted by: でいのしん | April 14, 2011 02:03 AM
すみません。
宮崎選手を宮本選手って打っていました。
ごめんなさい。
Posted by: でいのしん | April 14, 2011 02:05 AM
直近の1500m自由形の決勝進出者は平野雅人で、アトランタで6位入賞、15分17秒28でした。シドニーではこの記録を上回ったのですが、予選突破はなりませんでした。
モントリオールの1500mでサルニコフが5位になってからずっとサルニコフを見ていました。
日本の選手が15分を切ったのは感無量ですが、まだサルニコフの記録は超えていない(笑)。
是非上海の世界水泳で超えてほしいと思います。
今年は日本選手権は、辰巳のプールが地震で使えず中止、浜松での世界水泳の選考会は日程が重なって松田丈志は1500m出場を断念したんでしたっけ?
結果論ですが、400m自由形でも1位にこそなりましたが、派遣標準記録は突破できませんでした。
宮本陽輔という後継者ができて、ロンドン五輪を控えて松田自身はバタフライに専念するきっかけになるのではなかと思います。
Posted by: 管理人 | April 14, 2011 10:54 AM