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April 14, 2011

2020年オリンピックに 東京は立候補するべきだ(2)

2016年夏季五輪招致を決めたリオデジャネイロには3つの大きな要因があった。

強い大義名分~南米初開催
十分な開催計画
偉大な指導者(ルラ大統領=当時、ヌズマン招致委員会会長、アベランジェIOC委員)がいた
である。

特に招致活動の顔として活躍したのがカルロス・ヌズマンだ。
リオ五輪招致委員会会長、IOC委員、ブラジル五輪委員会会長としての人脈をフルに使った成果だ。

一方リオに敗れた3都市のトップはこの3人。

シカゴ:パトリック・ライアン AON(米国有数の保険会社)会長
マドリード:メルセデス・コーエン 1992年バルセロナ五輪女子ホッケースペイン代表 金メダルチームキャプテン
東京:石原慎太郎都知事

リオとの決戦投票まで行ったマドリードの顔は、地元開催の五輪のヒロインであり元スター選手。
シカゴは実業家、東京は政治家だ。
IOC総会で投票するIOC委員に働きかけるのに政治家や実業家よりも、スポーツ界に籍をおく者が有利であるのは間違いない。

こんな表を作ってみた。
石原知事の支持率と東京五輪の支持率の推移だ。
東京招致の支持率が50%台と低く、致命的だったことは記憶に新しい。
2020 
石原知事の支持率と五輪招致の支持率とが、非常に近い数字だったのだ。
石原氏はカリスマ性がある一方、アンチ層も大きい政治家である。
近年その高齢もあり、求心力は落ちている。
東京都が2020年五輪招致に乗り出し、再び「顔」を石原氏にしたなら東京五輪招致は高い支持を得られないだろう。

私自身は、特に国内向け顔になる人物は、こんな人がいいと思う。
元五輪選手であること
万人に好かれている人物
リーダーシップのある明るいひと

松岡修三氏くらいしか思い浮かばない。

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Comments

なんか2020年も2016年と同じように、新大陸での五輪。つまり、アフリカ大陸で開かれるんじゃないかと思います。個人的には是非、東京で開催してほしいですが、やはり足を引っ張っているのが原発問題。OCA 総会にちゃんとIOC委員が来てくれるのか心配です。また、日本のIOC委員が来年から空席になるのも心配です。竹田会長が後継になる可能性があると聞きましたが、日本のIOC委員は2人なので、他にももう1人、どなたか選出されるのでしょうかね。

Posted by: 石井 | April 15, 2011 03:47 PM

楽観的に考えると、南米という新しい大陸の開催地の次は伝統的な大陸、つまり欧州かアジアになるという予測をする人も多くいます。
マーケティング的にも、運営面でも2回続けて失敗は許されないからです。

2016年に失敗したときにIOC委員を代えるべきだと書きました。あのときから動いていれば・・・。
また、JOCは竹田会長以外のオプション(2人目)を全く持っていないのではないかと思います。

Posted by: 管理人 | April 18, 2011 06:38 PM

管理人様
IOC委員として個人の資格で選出されるのは、一国につき一人です。その他の可能性としては、国際競技連盟から出るか、NOC代表として出るか、選手委員会から出るかの3通りしかありません。従ってJOCは二人目のオプションを持つ必要はないのだと理解しています。
日本からは、竹田さんが個人資格で来年のロンドのリンピックの時の総会で選出されるでしょう。IOC委員の定年はその年齢に達した年の年末までですが、新任の委員の任期はその年の総会終了時からです。従って今年の総会で竹田さんが選ばれないのは当然(そうでないと日本の委員が一時的に3人になってしまうので)です。
北京でオリンピックに巻き込まれてから2016年招致も比較的近くで見ることになってしまったのですが、JOCの先見の明のなさというよりは、長老の首に鈴をつける人がいなかったからだと思います。これは中国でも同じで、あの耄碌した江沢民に誰も辞めろとは言えませんでしたから・・・・・

Posted by: 趙秋瑾 | May 16, 2011 10:20 AM

IOC委員が個人、IF代表、NOC代表、選手代表の資格に別れたのは1999年のソルトレークスキャンダルの際ですよね。
ではそれ以前に資格を得ていた人、例えば日本の猪谷、岡野両氏は99年以降はどういう資格でIOC委員にあったのでしょうか。

>日本の委員が一時的に3人になってしまう

竹田氏はこれまでも2000年、2005年と2回IOC委員に推薦されていました。
この際にもしIOC委員になっていたら日本の委員は3人になっていたことになります。
一国に3人のIOC委員がいることが原則無理であるなら、JOCはなぜ何度も竹田氏を推したのでしょうか。
そのような原則があって、しかもJOCが知らないのならあまりにお粗末であると思いますが。

*追記
オーストラリアはJohn Dowling Coates、 Phil Coles、Kevan Gosperの3人のIOC委員を出しています。

Posted by: 管理人 | May 16, 2011 11:06 AM

管理人様
>ではそれ以前に資格を得ていた人、例えば日本の猪谷、岡野両氏は99年以降はどういう資格でIOC委員にあったのでしょうか?

それ以前に資格を得ていた人は、引き続き「個人委員」として残りました。個人委員は一か国から一人だけにして合計で75名までとするという目標に向けての暫定措置でした。従って猪谷、岡野両委員とも「個人委員」として定年まで残ったのです。たまたまこのお二人は年齢が同じでしたが、どちらかが若ければ、その方が80歳になるまで日本の「個人委員」として残り続ける(自ら辞任しない限り)ことになります。

>竹田氏はこれまでも2000年、2005年と2回IOC委員に推薦されていました。この際にもしIOC委員になっていたら日本の委員は3人になっていたことになります。一国に3人のIOC委員がいることが原則無理であるなら、JOCはなぜ何度も竹田氏を推したのでしょうか。

JOCは竹田さんを「NOC代表枠」の委員として推していたのです。つまり個人委員は増やせないので、NOC枠で委員に推して日本の3人目の委員にしようとしたのです。ぜんぜんうまくいきませんでしたが…

それから一国に3人のIOC委員がいることは原則無理ではありません。個人委員、NOC枠の委員、IF枠の委員、選手委員会の委員で一づつ選出されれば合計4人の委員がいることも可能です。(あるいはスキー連盟の会長とハンドボール連盟の会長が両方とも日本人で二人ともIF枠で選ばれれば、技術的には5人以上いることも可能です。)

オーストラリアはコールズ氏とゴスパー氏は1999年以前に選ばれた個人委員です。ちょうど猪谷、岡野両氏と同じです。コーツ氏は豪州オリンピック委員会の会長の立場でNOC枠で選ばれているのです。従ってコーツ氏の場合は豪州オリンピック委員会の会長を退任したら自動的にIOC委員も退任することになります。JOCは竹田さんを、いわばコーツ氏の立場で押し込もうとしたのです。

Posted by: 趙秋瑾 | May 16, 2011 10:19 PM

>JOCは竹田さんを「NOC代表枠」の委員として推していたのです。つまり個人委員は増やせないので、NOC枠で委員に推して日本の3人目の委員にしようとしたのです。ぜんぜんうまくいきませんでしたが…

近い将来的に夏季五輪の日本招致を考えていたJOCは(2000年のときには大阪が招致レースにあった訳ですが)、若く身軽に動ける竹田会長(2000年のときはJOC理事)をなんとかIOCにもぐりこませたかった。
が、失敗。

IOC選手委員選挙にも松岡修三、荻原健司、さらには現役金メダリストの室伏広治を立ててもまったくだめ。
ついにIOC委員がゼロになるに至った。

中国のIOC選手委員YANG YANGも、韓国のIOC選手委員Dae-Sung Moonもマイナー種目出身でありながら巧みな選挙術で当選。
日本にはこうした術はない。

Posted by: 管理人 | May 16, 2011 10:37 PM

管理人さま、
楊揚の場合は巧みな選挙術ってワケじゃありません。彼女は2006年に選手委員会に立候補したけど落選してます。長年中国のIOC委員を務めた何振梁さんがおととし定年で引退したため、ロゲ会長の指名によって去年選手委員になったのです。日本でも前に小谷さんがサマランチ会長の指名で選手委員になりましたが、同じことです。

Posted by: 趙秋瑾 | May 16, 2011 11:24 PM

小谷氏のときはIOC選手委員の制度が今とは違いますから、同じではないです。

それに何振梁氏って選手出身ではないでしょう。
楊揚は本来投票で選ばれるはずの選手委員に政治力で選ばれたことになるんじゃないの?

Posted by: 管理人 | May 16, 2011 11:32 PM

おっしゃる通り、小谷さんの時は、15人までの選手委員がIOC委員を兼ねるという規定はありませんでした。ただ、「地域や性別のバランスをとるため」に会長の指名で選手委員を加える点は全く同じです。

何振梁氏はもちろん選手委員ではありません。ただ何氏の引退より、オリンピックを開催したばかりの中国のIOC委員が于再清氏一人になってしまうのを避けるためにロゲさんが選手委員という枠で楊揚を推薦したのです。もちろん裏では劉淇元北京市長、劉鵬局長、魏紀中氏を中心に水面下の大工作がありましたが…
昼休みが終わっちゃうのでこの辺で…

Posted by: 趙秋瑾 | May 17, 2011 12:49 PM

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