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April 18, 2011

2020年オリンピックに 東京は立候補するべきだ(3)

IOCの日本人委員が来年1月から不在になる。
現IOC委員の猪谷千春氏(1931年5月20日生まれ)と岡野俊一郎氏(1931年8月28日生まれ)の両委員が今年中に定年の80歳を迎え、年末で退任となる。

一方、IOC理事会が4月6日に新委員候補として選んだ3人の中に、JOCが推していたJOCの竹田恒和会長は選ばれなかった。
そのため、2012年1月以降日本人のIOC委員は不在となる。
嘉納治五郎氏が初代委員に就いて以来、103年続いた系譜が途絶えるという。

こうなるのは分かっていたことだ、JOCは国際戦略がなさ過ぎたと話す関係者もいるが、従来から指摘され続けている国際スポーツ戦略の乏しさが、またはっきりと数字となって表れたに過ぎない。

2016年夏季五輪招致を決めたブラジルのカルロス・ヌズマンIOC委員が八面六臂の活躍だったことからも、五輪招致に該当NOCのIOC委員の働きが大きく影響することは間違いない。

岡野、猪谷両氏の同時退任は前からはっきり判っていたことであり、竹田恒和JOC会長への「禅譲」を以前から打診してきたにも拘らず、現役の両氏が譲らなかったといわれている。
日本人の次のIOC委員が選ばれるのは、早くて2012年ロンドン五輪の際のIOC総会。
2020年夏季五輪招致は、スタートラインに付く前からよろけそうな状態だ。

通常NOCからIOC委員は1人、五輪開催国はさらに1人、その他五輪運動に貢献のあったNOCからはさらに選ばれたり、IOC選手委員を擁するNOCもあり、中国やイタリアなど4人いた時期もある。

もうひとつ日本にとって不利であるのは、福島の原発事故の影響だ。
当初3月に代々木第一体育館で開催予定だった世界フィギュア選手権は開催を返上し、代替大会が今月モスクワで開かれる。
ほかにも日本開催だった10月の世界体操選手権、11月開催のバレーボールW杯を開催国を移すかどうか5月中に決められる。
特にチェルノブイリ事故を経験しているヨーロッパの国々にとって、原発事故へのアレルギーは我々の想像を超えている。
福島の見通しがはっきりしなければ、東京五輪招致など霧散してしまうだろう。

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Comments

南アフリカが2020年を断念しました。東京も7月に立候補するかしないかを決めるらしいですね。
是非、東京でやってほしいです。

2018年が欧州勢に決まれば
東京はかなり有力じゃないでしょうか。

アヌシーとミュンヘンもかなり追い上げているようですし。

Posted by: 石井 | May 27, 2011 04:44 PM

そうそう。

私もアヌシーは大穴だと思っています。
サルコジがIOC総会に来て大演説をすれば、2014年ソチ決定のプーチンの再現になりますよ(笑)。

もうひとつ、2012年はパリ有利といわれながらロンドンに逆転を許し、IOC委員にはフランスへの同情がかなりあるとも見ています。

Posted by: 管理人 | May 27, 2011 06:18 PM

管理人さま、
大穴のアヌシーは当選することはないでしょうが、1回目にアヌシーに入った票がどこへ流れるかで勝負が決まるのだと思います。

フランスは2024年の夏のオリンピック招致を本気で考えています。ちょうど1924年のパリオリンピックから100年にあたるためです。アヌシーの活躍はパリにとってあまりいいことじゃないんじゃないでしょうか。

2024年にパリが出るとなると、2020年に手を挙げているローマはある時点で出馬を取り下げるかもしれません。

東京が出ればすっごく有利なんじゃないでしょうか。
また余計なおしゃべりでごめんなさい…

Posted by: 趙秋瑾 | May 29, 2011 01:10 AM

知ってます?

2020年は前のローマ五輪から60周年だってこと。

アヌシー云々のはなしは石井さんとジョークをからめながら招致談義を楽しんでいるわけで、ここに突っ込まれても…。

Posted by: 管理人 | May 29, 2011 07:45 AM

管理人さま、
突っ込んでる気は全くないのです。
わたしのは、上にも書いたように、余計なおしゃべりに過ぎません。
ワケのわからない窓際OLが割り込んで悪いんですけど、専門家の男性の話に加わってみたいのです。
背伸びなんですが…

Posted by: 趙秋瑾 | May 29, 2011 11:23 PM

管理人様
毎回楽しく読ませて頂いております。

初めてコメントさせていただきます。

IOC委員が不在になる問題は、私も早くから懸念しておりましたが、それが現実になってしまい、大変残念でなりません。

日本のスポーツ外交における人材不足には、なんとも言えない歯痒さをかんじます。

管理人様は、今後IOC委員に推進される人物としては、竹田会長以外にどなたか思い浮かぶ方はおられますか?

私は、室伏広治氏、橋本聖子氏、荻原健二氏、小谷実可子氏などが浮かびますが、

希望としては、中田英寿氏、楽天の三木谷浩史氏などいいと思います

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

今後もブログ、拝読させていただきます。

Posted by: かん | May 31, 2011 06:32 PM

かんさん コメントありがとうございます。

長野五輪招致に活躍した荻村伊智朗国際卓球連盟会長が1994年に亡くなったあと、国際スポーツ界に通じている日本人は皆無です。

その中でも強いてあげるなら、福田富昭国際レスリング連盟副会長、上村春樹国際柔道連盟指名理事(金メダリスト)、そして実業界からは水野正人JOC副会長などでしょうか。

僕は東大か筑波大の大学院に、国際スポーツ界で活躍しうる人材を育てるコースを作るべきだと思います。

Posted by: 管理人 | May 31, 2011 08:48 PM

管理人さまのおっしゃるとうり、
もはや国家ぐるみで人材育成を行わないと、世界のスポーツ外交で活躍する日本人を多数輩出するのは、今後極めて困難になると予想されます。

スポーツ基本法案が今国会に提出されました。
これをきっかけに、いわゆる『スポーツ外交官』の育成にも力を注いでくれたら良いですね。

Posted by: かん | June 01, 2011 07:49 AM

「スポーツ外交官」とか「国際的なスポーツ人」などという言葉にホントに意味を与えるためには、スポーツ選手を国際人にするのではなく、国際人にスポーツに興味を持ってもらう方が現実的だと思います。

上の方が室伏さん以下いろいろな名前を列挙していますが、三木谷さん以外は全部有名選手です。テレビの番組で、画面に出るアナウンサーやキャスターは「有名人」ですが、番組を作っているプロデューサーは「無名」の人たちです。でも実際に企画を立て予算を決めキャスティングを決めるのはプロデューサーじゃないですか。

有名スポーツ選手は、スポーツをテレビに例えれば画面に出る人です。スポーツ・アドミなんかやるのは画面に出ない人、つまりプロデューサーの役割です。「国際スポーツ界に通じている日本人」は皆無ではなく、観客に見えないだけなのだと思います。

今のIOC理事会のメンバー15人のうち、元オリンピック選手はロゲ会長を含め5人だけで、あとは銀行家、弁護士、外交官、学者、官僚などが本業の人たちです。スポーツ外交の人材不足を本当に心配するなら、テレビに出てる有名人ばかり数えたって全く意味がないと思います。

Posted by: 趙秋瑾 | June 05, 2011 09:54 PM


世界体操とバレーの開催は無事予定通り開催が決まったようです。

やはり残るは2018年の開催地次第ですかね。
7月6日が気になりすぎて今からドキドキしています(笑)

Posted by: 石井 | June 19, 2011 11:15 AM

僕も緊張しています。(笑)

GAME & BIDSは平昌、
AROUND THE RINGSはミュンヘンを予想していますが、
東京が2020年を有利にするためにも
ミュンヘンになってほしいです。

Posted by: 管理人 | June 19, 2011 04:38 PM

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