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June 06, 2011

全仏オープンを制した李娜 賞金は1億4千万円

この週末 アジアのスポーツにおいて歴史的快挙が生まれた。
テニスの全仏オープン第14日の4日、女子シングルス決勝で、第6シードの李娜(中国)が第5シードのフランチェスカ・スキアボーネ(イタリア)を6―4、7―6で下し、シングルスではアジア選手として男女を通じて初の4大大会優勝を飾ったのだ。
1億6600万人という、日本の全人口を超えるテレビ視聴者が中国中で試合を見守った中、快挙が成し遂げられた。
李娜が得た優勝賞金は120万ユーロ(約1億4千万円)という。
でも中国のことだ。
1億以上の金銭がそのまま李娜の懐に入るのだろうか。

中国にも各スポーツにプロ選手はいる。
が、アメリカやヨーロッパでいうところの「プロ選手」はNBAの姚明、サッカーのオランダリーグで活躍していた周海浜など数人ではないかと数年前までは言われていた。
では、テニスを始めプロツアーで活躍する彼女等はプロでなくて何なのだ?

今回全仏で優勝した李娜も、その所属は国家=国家体育総局であり、給料を国家が支払う厳密な意味でのプロではなかった。
例えばテニスの競技会での賞金については
担当コーチ15%
中国テニス協会30%、
選手、コーチの出身地(省や市)10%、
国家体育総局10%
の割合で天引きがなされ、
選手本人が手にするのはわずかに35%
という時代が続いていた。

ところが、2008年北京五輪。
女子ダブルス銅メダルを獲得した鄭潔と晏紫、シングルス4位だった李娜など4人の選手に対し、国家体育総局テニス管理センターは、出場する試合の選定とスポンサー探しについて自由裁量を認める決断を下したのだ。

これによって、選手が国等に上納するのは賞金の8%と大幅に縮小され、李娜は全仏の賞金の1億2000万円以上を手にすることができた。
なお、李娜は今年の全豪オープンでは準優勝し、その賞金は1 100000豪ドル=約9500万円、この92%も手にしている。

現在李娜は、ナイキ、ロレックス、ネスレ、ハーゲンダッツなどとスポンサー契約を結んでいる。
中国といえば、昔でいう「ステートアマ」が健在で、スポーツは国家事業であるかとの先入観を持つ。
それは誤りではないが、一方では李娜のようなプロ選手も出てきているのだ。

追記
報道によると李娜の推定収入は3087万元(約3億8000万円)とある。
種目が違うが、昨年の宮里藍の全米ツアーでの賞金は、145万7384ドル(約1億2052万円で全米6位)。
李娜の稼ぎっぷりが判るというものだ。

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Comments

国家体育総局のテニス部は2009年から選手の自由裁量を認めました。最初に認められたのは李娜の他に鄭潔、彭帥、晏紫の3人でした。この自由裁量は中国語では「単飛模式」といいます。お書きになっているように従来は選手が35%を取り、残りは総局に支払っていましたが、その一方で、試合のための旅費や滞在費、それに国内にいるときのトレーニング費用は総局持ちだったのです。

「単飛模式」では総局に納めるお金は人によって8-12%の間で、残りは自分のものになりますが、今度は自分でコーチ、トレーナーなど、いわば「チーム李娜」を自分の費用で引き連れて世界中を遠征するので相当なお金がかかります。李娜が総局に文句を言った背景には夫の姜山さんの意向が強く働いていたのだという人もいます。(ホントの事はわかりませんが。ただこの人は何となく怪しげな人です。)

ちなみに李娜の獲得賞金は2009年は53万4千ドルだったので、今年は大儲けの年だったのですね。中国ではお祝いの時に「恭喜発財」(儲かりますように!)と言いますが、彼女は真発財了(もうかったねえ…)。

Posted by: 趙秋瑾 | June 07, 2011 at 11:25 PM

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