世界新記録は43→2 世界水泳
昨日最終日を迎えた世界水泳選手権 男子1500m自由形で不滅といわれていたグラント・ハケットの14分34秒56を中国の19歳孫楊が破る14分34秒14の世界新記録を出し優勝した。
この結果今大会で出た世界新記録は2に留まり、2年前のローマの世界選手権の43から大幅減となった。
今大会の世界新記録の一つ目ライアン・ロクテ(米国)の200m個人メドレーでの記録は、自らがローマで出した1分54秒10を0秒10縮めた記録。
そして二つ目の孫楊の世界新記録は、グラント・ハケットが2001年の福岡世界水泳で出た記録を破ったものだ。
まだ覚えている方も多いだろう。
北京五輪の2008年、翌年の2009年と高速水着が世界を席巻した。
その結果、おいそれとは破ることの出来ない世界記録が続出していたのだ。
(余りのひどさに高速水着は2010年以降禁止となった。)
ここ10年の世界大会で出た世界記録の数は、下記のようになる。
世界新が少なすぎるのではなく、ようやく普通の状態に戻ったといえる。
●大会別の世界新の数
2011年上海世界水泳 2
2009年ローマ世界水泳 43
2008年北京五輪 25
2007年メルボルン世界水泳 14
2005年モントリオール世界水泳 9
2004年アテネ五輪 6
2003年バルセロナ世界水泳 14
2001年福岡世界水泳 8
しかし、孫楊の世界記録は凄かった。
この選手は、昨年の広州アジア大会の際に見ていたが、さらにスケールアップをした感がある。
1400mを終えた時点で約2秒世界記録に及んでいなかったが、最後の100mを57秒53で泳ぐという圧巻のレースだった。
古い人にしか判らないだろうが、まるでサルニコフが初めて15分の壁を破ったモスクワ五輪のレースを見たときと同様の衝撃だった。
近年の五輪の1500mは、20歳そこそこの選手が金メダルを獲っている。
孫楊は来年20歳。
しかも五輪は800mが実施されないため、負担は今回よりも軽いはず。
400m、1500mの両方に勝ちそうな気配だ。
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Comments
初めてコメントさせていただくものです。
孫楊選手は本当にすばらしかったですね。ロンドン五輪では今回の世界選手権と同じように400mが初日、1500mが最終日と日程的に余裕がありますね。
ロクテ選手についてですが、北京五輪のときは200背の決勝の30分後くらいに200IMの決勝でしたが、ロンドン五輪でも200背と200IMの決勝が同じ日になっています。今のところ発表されている日程表には「2012年8月2日Version」と書いてあるのですが、今後、日程の変更がなされることはあるのでしょうか?
Posted by: ヴェテ | August 01, 2011 07:44 PM
ロンドン五輪の競泳スケジュールを見てきました。
200IMと200背は準決勝が8月1日、決勝がが8月2日で同じ日です。
競泳が一度決まった日程を特定の選手のために変更することはありません。
ロクテにとって200背は北京からの2連覇が掛かっている。
一方の北京で3位だった200IMは、フェルプスに雪辱したいと思っているでしょうし、どちらも辞退しないと思います。
見る方は興味深いレースになりますが、ロクテには今から巨大タイヤを転がして体力を付けてもらうしかないですね。
孫楊にとって個人種目が400と1500に絞られるのは好都合です。朴泰桓との隣国対決も楽しみですよ。
Posted by: 管理人 | August 01, 2011 11:14 PM
そうですか。ありがとうございます。
北京五輪の当時は、200IMでロクテ選手はフェルプス選手にかなわない感じだったので、200背の決勝の直後に200IMの決勝が組まれてもあまり気にならなかったのですが、来年に関しては、この世界選手権で展開されたような壮絶なレースをまた見たいと思っていたところでしたので、かなり気にかかってしまいました。
教えていただいてどうもありがとうございます。
また、おっしゃるように、朴選手は今回400で完勝、200で僅差の4位でしたから、楽しみですね。
Posted by: ヴェテ | August 02, 2011 01:06 AM