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October 13, 2011

内村航平は少し種目を絞っても良いのではないだろうか

ロンドン五輪の団体と個人総合の金メダルをめざす内村航平だが、今大会 少し負担が大き過ぎではないだろうか。
昨日行われた団体決勝は、6-3-3制といわれる(6選手のうち各種目に3人が出場し、全得点がチーム得点となる)方式で行われた。
このやりかたは2004年のアテネ五輪以降行われているのだが、各国とも6人の代表選手は、得意な種目に絞って出場する。
現在の体操は、スペシャリスト化が進み、かつてのようなすべての種目をこなすオールラウンダーが少なくなってきている。
昨日の決勝に出場した8カ国48名の選手の内、全6種目に出場した選手は、果たして何人いたと思われるだろうか?
答えは内村ただ一人である。

内村は団体予選で6種目、同決勝で6種目、3連覇を狙う個人総合で6種目、さらに種目別では床、あん馬、つり輪、平行棒、鉄棒と5種目で決勝進出を果たしている。
合計するとこの大会開催中に23種目に出場するということになる。

内村とてすべての大会でこんなフル活動している訳ではない。
昨年のロッテルダムの世界選手権の団体決勝(日本は2位)では、つり輪は出場していない。
ロッテルダムの団体決勝で、6種目すべてに出場したのはドイツのフィリップ・ボーイのみ。
この選手は個人総合で内村に2点強及ばず2位になった選手だ。
その結果を見ても、世界の体操界からオールラウンダーが少なくなっていることが見えてくる。
というよりも、あまりに難易度が高くなりとっても6種目も手が回らないのだろう。
その一方、スペシャリストを揃えた中国の、個人総合予選の最上位選手は滕海浜の18位。
団体の予選すら6種目出場したのはこの選手しかいないのだ。

種目別で金メダルを量産しようとする中国と、体操の醍醐味はオールラウンダーだとする日本との意識の差が表れている。
内村は現在22歳、史上最高クラスの体操センスを持ち、若く体力には自信があるだろうが、エースで迎える五輪の重圧は、地元開催の世界選手権とも異なるものだろう。
万全で闘うには少し種目を絞っても良いのではないだろうか。

内村以前にオールラウンダーにこだわっていたのは冨田洋之。
ご存じアテネ五輪団体金メダルの立役者だが、アテネの団体決勝では彼の中では不得手といわれていた床には出場しなかった。
そして北京五輪個人総合上位8人が、団体決勝で出場した種目を表にすると次のようになるのだ。
決勝団体の6種目すべてに出場した選手はいない。

Gym2008


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