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December 06, 2011

男子バレー植田辰哉監督続投を考える

男子バレーがW杯で2勝しかできなかった。
史上最低の10位(12か国中)で、さらにその前のアジア選手権でも5位と惨敗していても、監督の植田辰哉氏が解任されることはないという。

植田氏は北京五輪で全敗しても、16年ぶりに全日本を五輪に導いたことを評価され、北京後も続投となった。
女子の真鍋政義氏も同様で、2人は4年間の契約を結ぶ、ロンドン五輪終了までがその任期だ。
ただ、丸々4年間を任せるのではなく、2010年の世界選手権で「その契約を見直す」とあった。

世界選手権で女子は32年ぶりのメダルを獲得し、真鍋氏は文句なく続投。
植田氏率いる男子は、昨年のイタリア世界選手権の1次ラウンドでイタリアとイランに敗れエジプトに勝って辛うじて2次ラウンドに進出したものの、アルゼンチンとフランスに完敗して2次ラウンド敗退、24か国中13位タイという成績を残した。

世界選手権で勝った国、負けた国に注目して欲しい。
今回のW杯でも、フランス(出場していない)を除いて対戦し、その勝ち負けは全く変わっていないのだ。
190センチ前後の日本が、2m以上が普通の外国勢とまともに打ち合って勝てるわけがない。
なのに工夫が全くない。
ジャンプサーブもレシーブも肝心なところで必ずミス、植田氏から適切な指示が出ないのは、全く世界選手権もW杯も同じだ。
では、何故植田氏は続投となったか?
世界選手権に続いて行われた広州アジア大会で、日本が思いがけなく優勝したからだ。

アジア大会の日本は、2次ラウンドでインドに2-3、韓国に1-3に敗れ、F組4か国中3位で決勝トーナメントに辛うじて進出した。
ところが、準々決勝では中国に3-0、準決勝で韓国に3-2、決勝でイランに3-1で勝ち、金メダルを獲ってしまった。
そこが評価されて植田氏続投になったと思われる。
だが、ここでもよく見て欲しい。
アジア大会の2次ラウンドで負けたインド、韓国には今年のアジア選手権でも同じような形で敗れているのだ。
素人目に見ても、2年続けて世界の強豪どころか、同じアジアのライバル国にも負ける植田ジャパンに、来年6月の世界最終予選までに成長する余地があるとは思えない。

今回のW杯で2位になって五輪出場権を手にしたのはポーランド。
ポーランドは2010年の世界選手権では、日本と同じ13位タイに甘んじたチームだ。
ところが、今年2月からポーランド代表を率いた監督はイタリア人のアンドレア・アナスタージ氏。
アナスタージ氏は、北京五輪の最終予選でイタリア代表を率いた人物といえば思い出す人もあるかもしれない。
そのアナスタージ監督の下ポーランド代表は、今年欧州選手権3位、ワールドリーグ3位、そしてW杯では2位に入った。
ポーランドは1976年のモントリオール五輪の金メダル国。
が、その後の世界の趨勢からは乗り遅れ、五輪には出たり出なかったりを繰り返していた。
いわば日本と似たところがある。
監督を変えたことによって再生できたよい例とはならないだろうか。
ポーランドは2014年の世界選手権開催が決まっており、ロンドン五輪でも古豪復活となりそうだ。

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