平昌の真実Ⅲ 韓国政府 ソウルから平昌までのKTX建設を約束したことはない
昨年、平昌での2018年冬季五輪招致を決めた韓国から、興味深いニュースが入ってきた。
平昌は仁川国際空港からは250キロ、ソウルからは220キロ離れており、現在はソウルからバスで3時間かかる。
IOC総会ではこう説明していた。
「2017年に、平昌とスケート競技の会場の江陵まで高速鉄道KTXが開通する。
するとソウルから平昌までは50分、仁川からは68分に短縮される。」
「68分」は液晶パネルに大きく映し出されたはずだ。
ところが、今になってこの高速鉄道建設を韓国政府は行わないと発表した。
韓国政府は、KTXの建設に90億ドルがかかり、五輪終了後は客が減り採算が取れないと指摘。
「建設計画は初めからなく、招致委員会が政府との協議なく発表した」と主張している。
何とも韓国らしい話だが、実は日本も長野五輪招致の際には似たようなことをしていた。
長野新幹線の開通以前、東京長野間は220キロ、在来線の特急「あさま」の所要時間は3時間だった。
長野市に空港はなく、海外からの選手団は、成田から東京を経由して新幹線で80分で長野につくとアピール。
成田から東京までの所要時間は全く触れられなかったのだ。
しかも、長野招致の英字パンフレットには、成田から長野まで新幹線で60分と書いていたのをよく覚えている。
1998年冬季五輪招致を争った米ソルトレークシティーには大空港があり、長野の大きな不安材料が交通アクセスだった。
そして、開催地決定のバーミンガムIOC総会を翌月に控えた1991年5月。
サマランチIOC会長(当時)は千葉市幕張で行われた世界卓球選手権観戦のあと、JOCや長野五輪招致委員会、報道関係者とともにJR海浜幕張駅から、視察と称して3両編成の特別お召列車で長野駅まで乗りつけたのである。
●参考記事
平昌の真実Ⅰ
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