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February 28, 2012

2020年五輪に立候補している5カ国の1人あたりのGDPを比較してみた

2020年夏季五輪に立候補している5カ国の1人あたりのGDPを比較してみた。
最も高いのが 76168ドルのドーハ(カタール)。
以下
東京(日本) 42820ドル
マドリード(スペイン) 30639ドル
イスタンブール(トルコ) 10399ドル
バクー(アゼルバイジャン) 6008ドルと続く。
(いずれも2010年)


日本の1人あたりのGDPはかっては世界2位だったが、現在は主要国の中でも下位に低迷し、円高で多少増えているようにも見えるが、実際は20年近く変わっていない。
そこにいくと、トルコの経済成長は凄い。
2010年の経済成長率は8.9%、1万ドルを超えた1人あたりのGDPも10年前の2倍以上になっている。
かつての日本も韓国もそうだったことを考えると、ある意味五輪招致は、高度経済成長と一体だったといえる。
ならば、イスタンブールは2020年五輪招致の最右翼だ。


2008年に北京五輪を開催した中国の、開催前年(2007年)の1人当たり国内総生産(GDP)は2461ドルだった。
ソウル五輪の前年1987年の韓国の1人当たり国内総生産(GDP)は3486ドル、ソウル市に限ると3710ドルという数字が残っている。
韓国が国内ほぼ同水準だったのに対し、中国の場合、北京市に限れば2006年には6000ドルを超えていた。
国土が広大で、都市部と農村部との差が大きいのが中国だ。


一方、1964年に東京五輪を開催した日本の、その前年の1963年の1人当たり国民総生産(GNP=当時)はなんと726ドルにすぎなかった。
当時は、1ドル=360円の固定レートで、ドル・ベースに置き換えると何とも少額になってしまうのだ。


五輪開催がどれほど経済的インパクトを与えるのか。それは、IOCや五輪スポンサーにとって大きな関心事だ。
2008年の北京、2016年のリオデジャネイロは、開催能力は未知数でも、無限の可能性に懸けたところがある。
その意味からしても人口7500万人、経済成長著しいイスタンブールは、初のイスラム圏との意味合いからもIOCにとっては願ってもない候補都市となり得る。


その一方で、2012年の五輪開催をロンドンと争ったのはパリ、ニューヨーク、マドリード、モスクワ。
2016年開催地をリオデジャネイロ争ったのは、東京、シカゴ、マドリード。
東京のような成熟した国の首都(や準ずる都市)がこぞって招致を目指す現状を見ると、五輪開催の意義、効果は決して失われてはいないと思う。


*7年前ロンドンが2012年五輪開催地に決まったときの予算は£23.7億。
これが現在大会だけで£120億、関連する費用を含めると£240億(何と2.9兆円)に上ると言われている
前回1964年の東京五輪の際の建設費は道路、新幹線整備費などを含め1兆800億円という大事業だった。
今回2020年五輪の申請ファイルでは、恒久的な施設整備費として、2016年招致の最終計画より238億円多い3557億円を計上しているが、例えば建設の決まった東京外郭環状道路の練馬―世田谷16㎞の建設総事業費だけで約1兆2800億円かかり、全部含めるといくらになるか不明だ。

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