ロンドンオリンピック開会式は、イギリスから世界に発せられるメッセージに注目だ
五輪開会式というとどういった印象を持つだろうか。
五輪の中でも最も華やかなイベントであり、入場券も最も高額になる。
実はこんな意味合いもあるのだ。
五輪の開会式は、開催国から全世界に向けてメッセージを発信する唯一の場所である。
これまでの五輪でも開催国からこんなメッセージが発信されている。
例えば1964年東京五輪、最終聖火ランナーは坂井義則氏。
後にフジテレビで活躍する人物だが、原爆が投下された1945年8月6日に広島で生まれている。
当時19歳、「戦禍から立ち上がり、平和日本を象徴する若い力」を世界に披露した。
1976年モントリオール五輪 聖火は、17歳の少年(プレフォンテーヌ)と少女(へンダーソン)によりスタジアムに運ばれた。少年はイギリス系で、少女はフランス系だ。2人の手が1つの聖火を支え、力ナダの複合国家を象徴していた。
モントリオール市は、英語と仏語の二重言語都市であり、日本人選手を紹介する際の、JAPANに続けてアナウンスされるJAPONの耳慣れない響きが新鮮だった。
2人の青年は、カナダがボイコットしたモスクワ五輪の開会式にも現われた。その後結婚したという話もあったが、結局デマだった。
1988年ソウル五輪 蚕室五輪スタジアムに入ってきた聖火は、孫基禎(当時76歳・故人)から、女子陸上のヒロイン・林春愛(当時19歳)に渡された。
孫基禎氏は、朝鮮半島の日本統治下時代の1936年・ベルリン五輪に日本代表として出場し、マラソンで金メダルを獲った韓国の歴史的な英雄である。
老雄から若いアスリートへのリレーは、新しい韓国の出発を意味した。
近年の開会式の中で、最も印象深かったのは1996年7月、アトランタ五輪開会式ではないだろうか。
最終聖火ランナーとして姿を現したモハメド・アリは、パーキンソン氏病を患い、震える手を押さえながら聖火台に点火をし、世界中の感動を誘った。
アリが選ばれたのは病気を克服しようとしている姿をアピールするためだけではない。
舞台はアメリカ南部のアトランタ。人種差別を振り返り、人類の平等や平和を訴えるというさらに大きな意味を、アリを通して訴えていたのだ。
そして4年前の北京五輪開会式。
中国政府はこんなメッセージを世界に送った。
・発展する中国
・多民族国家中国
・悠久の歴史を誇る中国
ところが、CGによる花火、異なる民族の衣装を纏った漢民族の子どもたち、口ぱくの歌声・・・。
見栄を気にし、中華思想丸出しの開会式を覚えておられる方も多いだろう。
さて、1908年、1948年についで3回目のロンドン五輪、イギリスはどんなメッセージを我々に贈ってくれるだろうか。
The comments to this entry are closed.
Comments
開会式はさすがと言える演出でしたね。すごく見ていて楽しめました。ただ、オリンピック賛歌が夏季五輪開会式では久しぶりに演奏のみになってしまったのが残念です。笑
競技も始まりましたが日本はちょっと嫌な流れですよね...。選手はすごく頑張っているのですが、柔道は軽量級4つ終えて金ゼロ。体操も内村がここにきて失敗続き、競泳も北島が不振。このままいくと金メダル数はバルセロナやアトランタ時代に逆戻りしてしまうのではと少々不安です。
それにしても海老沼の準々決勝を裁いた日系ブラジル人のミナカワ主審をはじめ、審判員のゴタゴタぶりには昨夜から怒りが収まりません。笑
一部記事では日本嫌いで有名だとか。
福見選手の負け試合でもこの主審が開始早々に指導を与えていましたよ。
Posted by: ゆー | July 30, 2012 02:05 PM
こんにちは。
ロンドン五輪の開会式は、出来る限り背伸びをしていた北京の開会式と比べて、成熟した大人の開会式が楽しめました。
しかし柔道はひどいですね。
審判の権威をないがしろにするジュリーの存在。
この調子だと競技としての柔道の格が下がっちゃいますね。
になってしまいそうです。
Posted by: 管理人 | July 30, 2012 04:56 PM