張培萌 日本記録10秒00に並ぶ 男子100m
世界陸上モスクワ大会第2日目 男子100m決勝で、世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が今季自己最高の9秒77のタイムで2大会ぶり2度目の優勝を果たした。
ボルトが勝ったことに特に感慨はないが、ショックだったのは中国の張培萌が準決勝で10秒00の中国新記録を出し、決勝進出を逃したものの(5位)、日本記録に並んだことだ。
伊東浩司さんがアジア大会の準決勝で10秒00を出したのは1998年のこと。
伊東さんの後も朝原、末続、塚原。そして山縣、桐生と9秒台を伺う選手が次々に現れるが、今回山縣、桐生は準決勝に進めなかった。
一方中国は、26歳の張培萌が、予選で4月に自身がマークした中国記録に並ぶ10秒04を出し、4組1着。
23歳の蘇炳添は10秒16で6組4着だったが、4着以下の選手では最も速いタイムで予選を通過した。
アジアの国籍を持つ唯一の9秒台の選手は、アフリカ生まれのカタール人 サミュエル・フランシス。
今大会でも予選は、10秒21ながら準決勝までは駒を進めている。
ただ、フランシスの自己ベスト9秒99でも、その記録は世界歴代80位にしかならないのだ。
100mのアジア記録のベスト12を作ってみた。
12人の内日本人選手が7。
数の上では日本人が圧倒している。
面白いのはカザフスタンのヴィタリー・サビン。
1991年にソ連が崩壊した後は、カザフスタン代表で10秒06を出した選手だが、なんと1988年のソウル五輪ではソ連代表として4×100mリレーに出場、金メダルを獲っている。
この時代、リレーといえばジャマイカでなく米国の独壇場。
予選4組に出場した米国は、第三走者とアンカーのバトンパスが、オーバーゾーンとなって失格した。
当時の大スターカール・ルイスは、予選は走らず、決勝のみアンカーを務める予定だったが、走る機会すらなく、この大会2冠に終わっている。