新国立競技場の総工費はロンドンの3倍の1800億円
2020年東京五輪のメイン会場となる新国立競技場の基本設計の条件案が日本スポーツ振興センター.JSCから公表された。
これによると建物の床面積を当初計画から25%削減し、約29万㎡から約22万㎡になった。
建設費について本体工事費で1413億円、周辺整備費372億円と見積もられた。
JSCの当初の試算では最大で3000億円という途方もない額だったが、1785億円と随分低くなった。
とはいうものの、2008年北京五輪の国家体育場が525億円、2012年ロンドン五輪のメーン会場が635億円の総工費でつくられており、史上最高額の五輪スタジアムであることには変わりない。
日本国内のこれまでにあった競技場と比べても、その巨額さは抜きん出ている。
2002年W杯の決勝で使われた日産スタジアムの3倍の金額だ。
競技場ではないが、2012年に開業した東京スカイツリーですら総事業費は約650億円(工事費だけなら400億円)という。
ロンドン五輪で競泳などの会場になったのがアクアティック・センター。
波打つような美しい木製天井を持つ競技場だったが、設計者はイラク生まれの女性建築家ザハ・ハディド氏。
このハディド氏こそ新国立競技場を設計した人物だ。
▲ロンドンのアクアティックセンター 新国立競技場にそっくり
アクアティック・センター建築のための費用は当初、7500万ポンド(約94億円)だったが、竣工した際には3億ポンド(約376億円)まで上っていた。
ある意味とっぴなデザインであり、工事費が必要以上に掛かったのだ。
新国立競技場も実際に建設が始まるとどうなるか判らない。
なお、このアクアティック・センターは、ロンドン五輪当時17500席のスタンドを擁したが、大会後に2500席に削減された。
新国立競技場も仮設スタンドを考えたらしいが、このデザインの場合仮設スタンドは無理。
五輪後も80000席のスタンドはそのままとなる。
●日本国内の既設の競技場