ソチ五輪の開会式で 北方領土が雲で隠されていたことに関して
ソチ五輪も折り返し地点を過ぎた。
今回は1週間前の開会式のできごとを振り返ってみたい。
7日のロシア・ソチ冬季五輪の開会式で、日本選手団の入場行進の際、地面に映し出された日本地図の北海道東部周辺に雲のようなものがかかり、北方領土が見えない状態になっていた。(共同通信)

▲日本選手団が入場した際に日本の地図が映し出されたが、北方領土には雲らしきものがかかっていた。
この件に関しては様々な意見があるだろう。
私自身は下記のツイートに同意する。
ソチ五輪の開会式で、日本入場の際、地面の日本地図の北海道東部周辺に雲のようなものがかかり、北方領土が見えない状態になっていた。グルジアの時も同じ様な措置。
※領土問題もある(いい悪いではなく)が、こういう相手を想う気持ちは大事。安倍さんや中韓にはお互いにそれがない。
— 無外流の狼 (@miburou3) 2014, 2月 8
北方領土はロシアが実効支配しているが、領土問題の相手国の立場も考慮し、曖昧にするものだ。
この根拠には中国が入場してきたときに確信した。
中国にとって台湾問題は国内問題であるという態度をとる。
台湾は中国の一つの省であり、台北にある国民党政府は地方政府であるというもの。

▲中国選手団が入場した際に映された中国の地図
ところが、中国選手団が入場してきた際に映し出された中国の地図には台湾はない。
実際には台湾があるはずの位置は、選手が通る道が通っており、都合よく隠したかたちだ。
もちろん、ソチ五輪には台湾、中華民国ではなくChinese Taipeiも参加しており、開会式には台湾の地図が映し出された。
言わば、中国、台湾のどちらの面子もつぶすことはなかったのだ。
ロシア人は、お客さんをもてなすことが好きで、寒い中訪ねてきた友人には温かいスープと一杯のウォッカを出すのだ。
かつてユーラシア大陸にまたがるソビエトという国があった。
今から34年前、ソビエトの首都モスクワでは夏季五輪を開催したが、その前年からアフガニスタンに軍事侵攻したことを理由に米国、西ドイツ、日本、韓国、中国、イラン、パキスタンなどの国がボイコットをした。
当時は東西冷戦の最中であり、スポーツが政治の具にされた悲劇である。
なお、多くの西ヨーロッパの国は、開会式のボイコットや国旗ではなく、五輪旗の下に参加するなどの手段を取った。
モスクワ五輪は、ソビエトの国威発揚と社会主義の優位性を世界に見せつけることが目的だったが、その目的が達成されたかは難しい。
ソビエトは1991年に崩壊し、モスクワを首都とする国はロシア連邦となったが、ソチ五輪開催にあたってモスクワ五輪が教訓となっていることは間違いないだろう。
さて、ソチ五輪の4年後は韓国平昌で冬季五輪が開かれる。
平昌の招致活動をしていた際、IOCに提出した開催企画書「PyeongChang 2018 Replies to IOC Questionnaire」に下記のようなページがある。

▲PyeongChang2018Replies to IOC Questionnaireより 日本海と東海の併記どころか、東海としか記されていない。
地図上で本来「日本海」を表す海を全て「東海 East Sea」としているのだ。
「日本海呼称問題」というのを知っているだろう。
日本海という呼称を快く思わない韓国が、できれば東海、少なくとも日本海・東海の併記に持っていこうとする政治運動のことだ。
現在世界では日本海の名称は、当該海域の国際的に確立した唯一の名称であるとなっている。
これに対し韓国政府は、
「韓日両国が共通の名称で合意に達するまでは、両方の名称を併記して使用する事が最も望ましい。」
としてきたはずだが、平昌招致にあたって東海の単独表記をしていたのだ。
他の国の気持ちを慮ることのできない国は五輪ホスト国にふさわしいだろうか。
もちろん、このことは夏季五輪開催の決まった日本にも言えることだ。


