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February 04, 2014

ソチオリンピックにロシア代表で出場する 元韓国代表安賢洙(アンヒョンス)

ソチ五輪のショートトラック競技に出場するロシアの選手にビクトル・アンという選手がいる。先に行われた欧州選手権でも500m優勝、1000m優勝、3000m優勝、1500mでは9位に終わったが、5000mリレーでもロシアの優勝に貢献、文字通り欧州NO.1の実力を見せつけた。
プロフィールを見てみよう。
1985年11月23日 韓国ソウル生まれの28歳 韓国体育大学卒業
えっと驚かれるかもしれない。そう。元々韓国人なのだ。

韓国時代の名前は安賢洙だったといえば思い出す方もあるかもしれない。
16歳で2002年のソルトレークシティ五輪に参加。
この時は無冠に終わるも20歳で出場したトリノ五輪では、1000m、1500m、5000mリレーで金メダルを、500mでは銅メダルを獲得した大選手だ。

韓国では五輪金メダリストに対して破格の待遇を用意する。
金3銅1の安賢洙には、
報奨金2億5950万ウォン(約3140万円=当時の換算レート)
生涯年金毎月100万ウォン(約12万円・同上)
さらに兵役免除が付け加わった。

ところがトリノ五輪直後からトラブルに巻き込まれていく。

2006年4月にこんな記事を筆者は書いている。
 
Ahn2_2

それでも競技は続けていたが、バンクーバー五輪の前年に、所属していた城南市庁チームが解散し、所属チームなしの状態になり、韓国代表からも漏れた。
25歳で引退の決意をしようとしていたとき、そんな安賢洙にロシアスケート連盟が声をかけてきた。

ロシア人にならないか。

ロシアはソチ五輪を控えるも、ショートトラックには人材がいない。
安賢洙だったらロシア代表として十分にやっていける。

当初、安賢洙は露韓の二重国籍を想定していたらしい。
が、韓国側は韓国籍の離脱を求めた。
トリノ五輪の活躍で手にしていた生涯年金を捨ててまでロシアに行くべきか。

ところがロシア側も破格の条件を出していたらしい。
ロシアでかかる費用すべてをロシアスケート連盟側が負担する。またそれとは別に生活費として毎月1万ドルを別に得ているという。
さらに、ソチ五輪でメダルを獲れば、金メダルに400万ルーブル(約1240万円)、銀メダルに250万ルーブル(約775万円)、銅メダルに170万ルーブル(約527万円)の報奨金が得られる。
ロシアは前回のバンクーバー五輪は金メダル3個で国別では11位と、ソ連崩壊後のロシア単独参加で最低の成績に終わった。自国開催のソチ五輪では金メダル数でトップ3に入ることが至上命令なのだ。

Ahn
▲ロシアのショートトラック選手 左がビクトル・アン

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