なぜ日本代表のキャンプ地はイトゥに決まったのか②
筆者は、6月に
サッカー日本代表を巡るおカネのはなし(2) なぜキャンプ地はイトゥに決まったのか との記事を書いたが、この度日本サッカー協会がこの件で記者会見を開いている。
日本サッカー協会の原博実専務理事は24日の記者会見で、日本代表がW杯ブラジル大会で1次リーグ敗退に終わった原因として、キャンプ地の選定、国内合宿のやり方を含め、大会直前の代表のコンディション調整に失敗したことを初めて認めた。
初戦のコートジボワール戦に「いいコンディションで入れなかったのは事実かなと思う」。原専務理事はこう語り、複数の要因を挙げた。日本がキャンプ地に選んだイトゥは涼しく疲労回復に適しているが、「(試合会場までの)移動が大変だった。飛行機に3時間乗って計5時間という影響もあったのかな」。
「(対戦相手や試合会場を決める昨年12月の)組み合わせ抽選会の前にキャンプ地を決めなければならなかった」と選定時の事情も説明したが、ドイツなど抽選会後に場所を変更した例もあり、再考の余地はあった。
(日本経済新聞7.22)
現役時代はヘディングが強く、アジアの核弾頭と呼ばれていた原博実専務理事だが、キャンプ地の選定の言い訳は少し苦しいかなと思わざるを得ない。
W杯組み合わせ抽選会は昨年の12月6日。
日本サッカー協会は19日に日本代表のベースキャンプ地を、サンパウロの北西約100キロにあるイトゥに決めたと発表。
が、この前日の18日にドイツは、そのイトゥに自前のキャンプ地を作ることを止めたと発表、結局ドイツは、同じサンパウロ州サント・アンドレに新たに施設を作った。
ブラジル大会で1次リーグ中最も移動したのは、日本ではなく米国。
イタリア、メキシコと続き日本は4番目だ。
米国 メキシコはそれぞれグループ2位で決勝トーナメント進出。
イタリアは3位で1次リーグ敗退。
日本は4位で1次リーグ敗退したのはご承知の通り。
だから1次グループの移動距離が、結果と相関するかと言えば必ずしもそうでない。
もしくは、米国とメキシコが非常にポテンシャルが高かったということになる。
参考までに4年前の南アフリカ大会の1次リーグでは
①アルジェリア、②北朝鮮、③フランス、④セルビア
の順で移動距離が長かったが、4か国とも1次リーグの最下位で敗退しているのも事実だ。
今回の件で言えば、最大のスポンサーであるキリンの影響で、イトゥがキャンプ地に決まり、移動距離に懸念を抱いた関係者は多かったと思うが、誰も協会を動かすほどの苦言を呈することができなかった。
あるいは、日本代表チームが、メキシコ並みかそれ以上のポテンシャルを持っていると錯覚していたのではないだだろうか。