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August 26, 2014

モスクワにあるルジニキスタジアムのはなし

2020年東京五輪のメーン会場として建設が予定されている新国立競技場。この新国立競技場をめぐって、専門家や建築家などから、疑問の声が相次いでいる。

日本スポーツ振興センターが5月28日に承認した基本設計案は、高さ70m、総工費1625億円という巨大なものだ。総工費1625億円という巨額のスタジアムは陸上競技場、サッカー場を含めても史上最高額。
東日本大震災と福島第一原発事故からの復旧・復興途上で、これだけの巨額の費用をスタジアム建設に使うことには疑問が残る。また、ザハ・ハディット氏の案が選ばれたコンペの過程もはっきりしていない。

旧国立競技場が老朽化し、建て替えたいと言う考えは僕も同じだ。
しかも2020年の東京五輪は、真夏の開催。
空調設備のない旧国立競技場タイプのスタジアムでは、観客に死者が出るかもしれない。

その点、新国立競技場は最新鋭の空調システムが導入されると言う。
「外気が35度の場合、観客席は屋根を開けると26・5~30・5度に、屋根を閉めたら26・5~28・5度になる」
だが、日本スポーツ振興センターは、1回の屋根の開閉にかかる料金を
「確認していない」
という。デジタル朝日6.14 http://digital.asahi.com/articles/ASG6F66HRG6FULZU00M.html
この国はいつからこういい加減になったのだろうか。


ロシアの首都 モスクワにルジニキスタジアムと呼ばれる競技場がある。
旧ソ連時代には、レーニンスタジアムと呼ばれていたスタジアムだ。
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▲レーニンスタジアム まだ観客席を覆う屋根がない

1980年モスクワ五輪のメーンスタジアムになった、といえば思い出す方もあるかもしれない。
2012年のロンドン五輪組織委員長を務めたセバスチャン・コーは、23歳で迎えたモスクワ五輪 陸上1500mで金メダルを獲った。

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▲モスクワ五輪陸上1500m 金メダルセバスチャン・コー(右)、銀メダルスティーブ・オベット(左)、8位スティーブ・クラム(中、いずれも英国)

1956年に誕生したスタジアムは、1991年のソ連崩壊に伴い、スタジアムの名称もルジニキスタジアムに改められた。
ソ連時代にビリージョエル、ロシアになってからローリング•ストーンズ、ボン•ジョヴィ、マドンナなどのコンサートがここで行われた。
2007年に2013年の世界陸上の開催が決まり、9レーンの青いトラックが張られた。
その世界陸上では、ピークを過ぎたと思われていたエレーナ・イシンバエワが世界陸上で7年ぶりの金メダルを獲得し、モスクワッ子を喜ばせた。

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▲2013年世界陸上 青いトラックが張られたルジニキスタジアム

世界陸上を終えたルジニキスタジアムは、座席がすべて取り外され、青いトラックがはがされ、大改装工事に向けて動き出した。
2018年FIFA・W杯の決勝の舞台として、今度はサッカー専用競技場として生まれ変わろうとしている。

改修費用は200億ルーブルというから約525億円。
このくらいの額をかければ、世界中どこでも8万人規模のスタジアムを作ることができる。
が、ロシアはそれを選ばなかった。
ルジニキの伝統的な外観を保持し、正面や屋根を変えず収容人数を拡大することを選んだのだ。

観客席は拡張され、FIFAの要求に応じて観客席がピッチに近くなる。
障害者のために特別な装置を備えた特別席も300設置し、収容人数は3000人増やし81000人になる。
選手とレフリーのためのロッカールーム8室、ウォーミングアップ・ルーム2室、FIFA幹部の控室、記者会見場も設けられるよていだ。
巨大スクリーンも設置され、観客席を入れたスタジアムの面積は22.1万㎡となる。

難点は芝だろうか。
ロシアの気候ではフルシーズン天然芝を保つのは大変だからW杯の期間中だけ天然芝にするようだ。

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▲W杯でのルジニキスタジアム(予想)

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