モスクワにあるルジニキスタジアムのはなし
ロシアの首都 モスクワにルジニキスタジアムと呼ばれる競技場がある。
旧ソ連時代には、レーニンスタジアムと呼ばれていたスタジアムだ。
▲レーニンスタジアム まだ観客席を覆う屋根がない
1980年モスクワ五輪のメーンスタジアムになった、といえば思い出す方もあるかもしれない。
2012年のロンドン五輪組織委員長を務めたセバスチャン・コーは、23歳で迎えたモスクワ五輪 陸上1500mで金メダルを獲った。
▲モスクワ五輪陸上1500m 金メダルセバスチャン・コー(右)、銀メダルスティーブ・オベット(左)、8位スティーブ・クラム(中、いずれも英国)
1956年に誕生したスタジアムは、1991年のソ連崩壊に伴い、スタジアムの名称もルジニキスタジアムに改められた。
ソ連時代にビリージョエル、ロシアになってからローリング•ストーンズ、ボン•ジョヴィ、マドンナなどのコンサートがここで行われた。
2007年に2013年の世界陸上の開催が決まり、9レーンの青いトラックが張られた。
その世界陸上では、ピークを過ぎたと思われていたエレーナ・イシンバエワが世界陸上で7年ぶりの金メダルを獲得し、モスクワッ子を喜ばせた。
▲2013年世界陸上 青いトラックが張られたルジニキスタジアム
世界陸上を終えたルジニキスタジアムは、座席がすべて取り外され、青いトラックがはがされ、大改装工事に向けて動き出した。
2018年FIFA・W杯の決勝の舞台として、今度はサッカー専用競技場として生まれ変わろうとしている。
改修費用は200億ルーブルというから約525億円。
このくらいの額をかければ、世界中どこでも8万人規模のスタジアムを作ることができる。
が、ロシアはそれを選ばなかった。
ルジニキの伝統的な外観を保持し、正面や屋根を変えず収容人数を拡大することを選んだのだ。
観客席は拡張され、FIFAの要求に応じて観客席がピッチに近くなる。
障害者のために特別な装置を備えた特別席も300設置し、収容人数は3000人増やし81000人になる。
選手とレフリーのためのロッカールーム8室、ウォーミングアップ・ルーム2室、FIFA幹部の控室、記者会見場も設けられるよていだ。
巨大スクリーンも設置され、観客席を入れたスタジアムの面積は22.1万㎡となる。
難点は芝だろうか。
ロシアの気候ではフルシーズン天然芝を保つのは大変だからW杯の期間中だけ天然芝にするようだ。
▲W杯でのルジニキスタジアム(予想)