新国立競技場 開閉式屋根は五輪後に設置され、1.5万席は仮設になる
昨日、下村博文文部科学相と舛添要一知事とが都庁で会談し、2020年東京五輪のメイン競技場=新国立競技場は当初の案とは異なり、開閉式屋根は五輪後、1.5万席は仮設となることなどが明らかにされた。
会談で下村氏は「屋根はなし、仮設席は3万席」などと言ったそうだが、事務方が慌てて文科相の発言を訂正している。
多くの新国立競技場に関心のある人が、心配していたことをやっと政府が認めた。
まず、入札不調で解体工事開始が予定より半年遅れた。
ザハがデザインした馬蹄形状の屋根は、平行移動ができず、開閉ができないと当初から指摘されていた。
だいたい、ザハ案を選んだコンペの審査員が素人集団に近い。
竣工まで3000億円の費用がかかるとされ、あわてて規模を約2割縮小し、総工費は1625億円とした。
が、消費税が5%から8%に上がるのを計算に入れてなく、資材費や人件費の高騰を考えると、やっぱり2500
億円はかかるなどという説もある。
当初予定されていた屋根が、結局できなかったというケースこれまでの五輪でもある。
2008年北京五輪のメイン会場だった北京国家体育場(通称鳥の巣)は、経費節減のため、開閉式屋根を取りやめている。
1976年モントリオール五輪のメイン会場も、大会までに予定されていた屋根ができなかったが、MLBのモントリオール・エクスポズ(現DCナショナルズ)の本拠地として改修する際に、やっと簡易開閉式の屋根を設置した。
新国立の場合、最も懸念されるのは、屋根がなくて空調が整備されるかどうかだ。
2020年の東京五輪は、真夏の開催。
新国立競技場は、最新鋭の空調システムが導入されることになっていた。
外気が35度の場合、観客席は屋根を開けると26・5~30・5度
屋根を閉めたら26・5~28・5度になるはずだった。
もしも、屋根を作れないがために、空調設備を設置できないのであれば、熱中症で観客に死者が出るかもしれない。
2000年~2012年までの五輪メイン競技場と日産スタジアム、味の素スタジアム、東京ドームと新旧国立競技場の規模を比較してみた。(収容人数は開催当時)
◎今後の予定
2015年5月 旧国立競技場解体完了
2015年9月 実施設計完了
2015年10月 本体工事着工
2019年3月 新国立競技場完成
2019年9月 ラグビーW杯日本大会開幕
2020年7月 東京五輪開幕
2020年8月 東京パラリンピック開幕