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June 05, 2015

FIFAスキャンダルの真相は?

FIFAの不正を巡る件で、イギリスの文化・スポーツ相を務めるウィッティングデール氏は、2018年と2022年のW杯の開催地を選ぶ過程でも不正が確認されれば、「投票をやり直す理由になる」としたうえで、要請があればイングランドで開催を引き受ける用意があると述べた。

イングランドはサッカーの母国であるが、W杯の主催は1966年大会の1回のみ。このときは、地元優勝を果たしたが、世界一隆盛である言われるプレミアリーグを擁しながらも、2度目のW杯の開催とはなかなか縁がない。
度々立候補するも

 1990年はイタリアに敗れ
 1994年は米国に敗れ
 1998年はフランスに敗れ
 2006年はドイツに敗れ
 2018年はロシアに敗れた。

2010年大会は南アフリカで、2014年大会はブラジルで開催することになり、大陸ごとの持ち回りはなくなった。2018年のW杯の欧州開催が濃厚、イングランドにとっては、絶好のチャンスであったのだ。

投票が行われたのは、2010年12月。FIFAの本部のあるスイス・チューリッヒ。
このFIFAの理事会では、2018年だけでなく、22年の2大会の開催国を決めようとしていた。
2大会の開催国を一気に決めようとしたことに、ブラッター会長は「事務作業を減らすため」などと詭弁を吐いた。
18年大会に立候補していたのは、ロシア、イングランドのほか、スペイン・ポルトガルの共催、オランダ・ベルギーの共催の4候補だった。
各招致国に対し、FIFAの調査報告書の中で付けられた評価は、①イングランド ②スペイン・ポルトガル ③ロシア ④オランダ・ベルギーの順だった。
2018年W杯開催の最有力候補と自他ともに認められたイングランド。だが、落とし穴が待っていた。

英国メディアが、FIFAの役員を嵌めようとしたのだ。
W杯招致が、五輪招致と最も異なるところは、五輪が100人以上のIOC委員が投票するのに対し、W杯はFIFAの幹部役員20数名の投票によって決められるところだろう。
1票の重みがかなり異なる分、不正の温床になりやすいという指摘が以前からあった。

サンデー・タイムズは、英国の保守系高級紙タイムズの日曜版だが、この記者が、米国企業のロビイストを装ってFIFAの理事に近づいた。
引っ掛かったのはアモス・アダム理事(ナイジェリア)とレイナルド・テマリー副会長(タヒチ)。
アダム理事は米国が22年招致に絞る前の時点で、18年開催地の投票で米国を支持する見返りとして、母国ナイジェリアに人工芝ピッチをつくる費用80万ドルを要求。テマリー副会長はスポーツ学校開設の資金として300万ニュージーランドドル(約1億8000万円)を求めた。
サンデー・タイムズ紙の電子版には取引の様子を写した動画も掲載された。

FIFAはこれに対し、テマリー副会長(タヒチ)には資格停止1年、アダム理事(ナイジェリア)には資格停止3年の処分が下された。

サンデー・タイムズとしては「スポーツマフィアの鼻を空かした」というところだろうが、FIFAからしてみれば、「美味しい汁を吸えたのに余計なことをしてくれた」となる。
そんなイングランドに投票する役員などFIFAにはいない。
イングランドの獲得票はわずか2票に終わり、開催権はロシアへ渡った。

Fifa2018

イングランドにしてみれば、次にW杯を開催するチャンスはいつになるか判らない。
一方、クリミアを併合したロシアに米国は憤懣極まらない。
なんとか、ロシアに赤っ恥をかかせたい。
そんな米国とイングランドが謀ったのが、今回のFIFAスキャンダルなのではないか。

 

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