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June 30, 2015

ラグビーワールドカップで新国立競技場を使わなければ1年延びる?

下村博文文部科学相は、2020年東京五輪のメイン会場となる新国立競技場の整備費に充てるため、命名権(ネーミングライツ)の売却を検討する考えを示したという。
2520億円という前代未聞の総工費をかける新国立競技場の責任者は、なかなか独自の金銭感覚をお持ちのようだ。

シドニー五輪のメイン会場だったスタジアム・オーストラリア。
その総工費は日本円にして460億円~510億円だった。
2008年より、地元豪州の銀行、ANZ銀行が命名権を購入して、現在はANZスタジアムと呼ばれている。
その額が年間450万豪ドル。

一見とても大きな金額のように思えるが、現在のレートで4億2500万円に過ぎない。
下村大臣は、命名権等で200億円集めたい意向のようだが、道は果てしなく遠そうだ。

さて、このANZスタジアムことスタジアム・オーストラリアだが、シドニー五輪の際は11万人収容の陸上競技場だった。
が、陸上のトラックと一部の座席を撤去して、現在は多目的球技場となっている。
今年の1月に行われたサッカーのAFCアジアカップを覚えているだろうか。
日本代表がPK戦で敗れたUAE戦や、決勝の豪州対韓国などが、このスタジアム・オーストラリアで行われた。

また、2003年に行われたラグビーワールドカップのメイン競技場でもある。

日本でも東京五輪の前年、2019年に開催されるラグビーワールドカップのメイン競技場に新国立競技場が決まっている。

筆者の新国立競技場に対しての意見は、『五輪とラグビーを分けよ』だ。
ラグビーワールドカップに間に合わせるため、新国立の竣工は2019年5月。
ラグビーワールドカップのメイン競技場を、日産か埼玉に譲れば新国立竣工に1年間余裕が生まれる。

が、
森喜朗東京五輪競技大会組織委員会会長 早稲田大ラグビー部出身(Wikiによると4か月で退部)
遠藤正明五輪担当相 中央大ラグビー部出身
河野一郎独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長 東京医科歯科大学ラグビー部出身

の3人がいずれも強力なラグビー関係者で、ラグビーワールドカップから新国立を外すことを許しそうにないのだ。

●最近のラグビーワールドカップのメインスタジアム

1999年 ウェールズ大会 ミレニアムスタジアム
カーディフ市 収容74,500人 ラグビーウェールズ代表の聖地 

2003年 オーストラリア大会 テルストラスタジアム(スタジアム・オーストラリア)
シドニー五輪メインスタジアム 収容83,500人(五輪開催時は110,000人)
現在は命名権によりANZスタジアム

2007年 フランス大会 スタッド·ドゥ·フランス
1998年FIFAワールドカップメイン会場 収容81,338人

2011年 ニュージーランド大会 エデンパーク
オークランド市 収容50,000人
大会中は仮設スタンドを設け、決勝戦は61,079人を収容した。

2015年 イングランド大会 トゥイッケナム・スタジアム
ロンドン郊外のトゥイッケナムにあるラグビー専用競技場
収容82,000人
イングランドのサッカーの聖地 ウェンブリー ラグビーW杯でも使用。
イングランドのラグビーの聖地 トゥイッケナム
なお、オリンピックスタジアムは3位決定戦ほか5試合が行われる。

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