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July 30, 2015

北京かアルマトイか 2022年冬季オリンピック開催地明日決定

7月31日に2022年の冬季五輪開催都市が決定される。
立候補しているのは北京とアルマトイの2都市のみ。

元々は2018年の開催地を平昌と争ったミュンヘン(ドイツ)のほかサンモリッツ(スイス)、クラクフ(ポーランド)、リビウ(ウクライナ)、オスロ(ノルウェー)、ストックホルム(スウェーデン)の8都市が名乗りを上げていた。

この内、ミュンヘンとサンモリッツは地元市民の反対で立候補を取り下げ、ストックホルム、クラクフ、リビウも立候補を断念。

IOCの第1次選考を通過後に、オスロが国内の賛成が得られないことを理由に立候補を辞退した。
オスロは、1952年に冬季五輪を開催した大本命のはずだったが、ノルウェー国民への世論調査でも60%が五輪開催に反対を表明し、政府が辞退を決めた。
ノルウェーは、史上最高の冬季五輪と言われるリレハンメル五輪(1994年)の実績もあったが、今回は世論が盛り上がらなかった。

その理由のひとつに昨年のソチ五輪がある。
ロシア政府は、ソチ五輪のために5兆円とも7.5兆円とも言われる投資をし、それを目の当たりにした欧州各国の立候補都市は尻込みしてしまった。

北京はご存知のように2008年の夏季五輪の開催地。
北京市内でスケート競技を、河北省張家口で雪上競技を行う広域開催になる。
北京から張家口まで距離にして150キロある。
東京から150キロというと南アルプスの長野側~諏訪湖の手前あたりになる。
言わば東京五輪で、長野五輪の施設を使うみたいなものだ。

大国の中国政府が付いているから、開催に問題はなさそうだが、2018年に平昌冬季五輪、2020年に東京五輪と続いた後、にアジアで三たび五輪を開催することにIOCとしても抵抗があるのは間違いない。


現在スピードスケートと言うと、屋内のスケート場を思い浮かべるだろう。
だが、最初にスピードスケートを屋内で実施したのはカルガリー五輪(1988年)。
現在のスピードスケートの世界記録はここか、リレハンメルのハーマルでほとんどが出されている。

カルガリー五輪以前にも「世界記録製造リンク」と呼ばれるスケート場があった。
その名はメデオ
標高1691mの高地、リンクを林が覆い風が遮られた。
昔からスピードスケートをよく見ている方なら、メデオの名前を聞いただけで涙が出るのではないか。
メデオは旧ソ連の科学の英知を結集させたようなイメージの施設だったが、実はアルマトイの郊外にある。
五輪開催が決まれば、屋外リンクに屋根を付ける。

アルマトイは天山山脈の北側に位置し、市内近郊にスキーリゾートがある。
12月になれば良質の天然雪が積もり、環境に優しい。

ソチ、平昌と人工雪の五輪が続き、さらに北京で人工雪の中のスキーは見たくない。
恐らく世界中のスキー関係者がそう思っているだろう。
が、IOC委員のすべてがウィンタースポーツに詳しいわけではない。
アフリカや、東南アジア、中南米の出身の委員も多くいる。
彼らはスキーが人工雪で行われようが、天然雪で行われようがあまり気にしていないのではないだろうか。

とするとやはり北京が有利。
でも北京から張家口まで150キロは遠すぎる。


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