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December 24, 2015

1964年の東京五輪は当初予算の250倍の経費がかかった

私は正直なところ、近代五輪はその役目を果たしたのではないかと思うことがある。

2018年平昌
2020年東京
2022年北京

と極東アジアが3回連続して五輪開催予定だ。
東京の次の2024年五輪もボストンとハンブルグが一度は手を挙げたが、早々と降りてしまった。
大本命はパリだが、今回のテロのダメージは余りに大きい。
カネとテロのリスクが大きすぎるのだ。
今後、ヨーロッパで、積極的に五輪を開催したいという都市は出てこないのではないか。
そこにこんなニュースが入ってきた。

5年後の東京五輪開催の運営費を組織委員会が試算したところ、立候補段階では3000億円程度と見込まれていた額のおよそ6倍の1兆8000億円に上り、組織委員会の財源だけでは大幅に不足することが分かったという。

これは凄い話だ。少し2013年の招致の頃を思い出してみよう。
連日福島原発事故の汚染水のニュースが流れる中、東京はそれでもマドリードや、イスタンブールよりも安心して開催が任せられるとして、2020年五輪の開催地に選ばれた。

では、日本がこれまでに開催した3回の五輪は、いずれも招致段階の予算通りに行われた素晴らしい大会だったのだろうか。

ヨーロッパには著名な五輪研究家がおり、様々なデータを公開している。
その中のひとつオランダのSportgeschiedenisのデータを紹介しよう。
日本で開催された3回の五輪の予算と最終的な経費である。
『日本で開催された五輪は、あまりに高価なジョークだ』と辛辣なタイトルが付けられている。

Op 9 april 1964 meldde de Telegraaf dat de totale kosten ruim 10 miljard gulden zouden bedragen, waar in april 1962 over veertig miljoen werd gesproken.

Op 21 februari 1967 begon de stad heel bescheiden met een begroting van 56 miljoen gulden.
Na afloop van het evenement lag er een slotbedrag van 2,3 miljard gulden – wederom door hoge uitgaves voor de infrastructuur.

Het Financieele Dagblad van 25 februari 1998 noemde een eindbedrag van 22,4 miljard gulden, wat toch net iets meer was dan de 1,7 miljard waarmee het in 1991 allemaal begon.


オランダ語を訳してみるとどうやらこういうことらしい。


●1964年東京五輪
当初予算4000万nlg⇒最終経費100億nlg 250倍

●1972年札幌五輪
当初予算5600万nlg⇒最終経費23億nlg 41倍

●1998年長野五輪
当初予算17億nlg⇒最終経費224億nlg 13倍
 
これに比べれば2020年東京五輪の6倍の費用なんてまだ大したことはない。

nlgというのは、かつてオランダで使われていた通貨単位のことで、一般にはギルダーと呼ばれていた。
2002年1月1日に現金通貨としてのユーロが発足し、ギルダーもマルクやフランなどと同じように姿を消した。
日本で開催された3回の五輪の際にはギルダーがまだ健在で、オランダ人の研究家がギルダーに換算して資料を作ったようだ。

どこまで信憑性があるか判らないが、それにしても何とも甘い予算だ。
小さな予算を出して、莫大な経費を使う。これは日本のお家芸だ。

しかも、長野五輪は帳簿が焼却されており、最終経費の224億ギルダーも推測でしかないとある。
(そうだったか?焼却された帳簿は招致の際のものだったような気がするが…。)

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