ドーピングスキャンダルでアディダスに逃げられた国際陸連
BBCの伝えるところによると、ここ数ヶ月のIAAF(国際陸連)のドーピングスキャンダルを受けて、アディダスがIAAFのメインスポンサーを契約よりも4年早く終了するという。
IAAFのサイトを見に行くと公式スポンサーの中にadidasのロゴがまだある。
アディダスとしては正式に契約終了を公表した訳ではないようだが、撤回するとも思えない。
昨年まではこのスポンサーの一覧には
アディダス
セイコー
TDK
トヨタ自動車
キヤノン
VTB
SINOPEC
さらにはオフィシャル放送局としてTBSのロゴが並んでいた。
が、現在はVTBとSINOPECがなくなり、さらにアディダスがなくなると、日本企業のみになってしまう。
VTBはロシアの銀行グループ、SINOPECは中国の石油化学グループで、どちらも地元開催であった2013年の世界陸上モスクワ大会、2015年の同北京大会に合わせて協賛していた企業だ。
当初から契約には、2015年をもって終了とあり、早期に終了させたわけではない。
ただ、VTBというと今回のスキャンダルの渦中の国、ロシアの企業であるだけに、必要以上に何かあるのではと誰しもが思うだろう。
さて、アディダスだが、現在のIAAFとのスポンサー契約は2008年に結ばれたもので、2009年から2019年までの11年間の長期契約、1年あたり300万ドル、11年間で3300、万ドルと言われていた。
が、BBCの報道によるとアディダスから現金だけでなく製品の提供を含めて、1年あたり800万ドル相当が支払われている。
もし、報道通り4年早く契約が終了するとIAAFは3000万ドルの損失になると言う。
IAAFの2014年の収入は約5900万ドル。
五輪競技の中では華やかで、数多くのドラマを生んできた陸上競技であるが、その収入規模は中規模企業程度。
ドーピングとそれに伴う汚職が表沙汰なっては、新たなスポンサー探しは難航するのではないか。
今後の世界陸上は、2017年がロンドン、19年はカタール・ドーハ、21年はユージーン(米国)が決まっている。
やっぱりねらいはカタール航空とナイキだろうか。
セイコー、TDK、TBSの契約は2019年まで。
トヨタは2017年まで。
電通はスポンサーではないが、代理店として2029年まで契約している。