萩野公介 今年は3種目のみのエントリー 競泳日本選手権
陸上競技の華はマラソン、体操の華は鉄棒、アルペンの華は滑降
昔から花形種目と言われる種目がある。
各競技の中で最も注目が集まり、最も盛り上がる種目のことだ。
では、競泳の華は何か?
個人メドレーだ。
少し意外な気がする人もいるだろう。
陸上の10種競技であるとか、ノルディック複合とか、複数の種目を高いレベルでこなす選手をKING OF~として称えることが多いが、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形の4泳法で競う個人メドレーこそキングオブスイマーに相応しい。
とは言うものの、日本人選手はなかなか個人メドレーに強い選手が出ず、地味な扱いだったのは事実だろう。
しばしばメドレーリレーと混同された。
また、400mが五輪正式種目になったのが1964年の東京大会、200mが1968年のメキシコ大会と、比較的遅かったことも地味に扱われていた原因かもしれない。
日本女子はそこそこ入賞者が出ていたが、男子の個人メドレーで初めて五輪で入賞を果たしたのは、藤本隆宏さん。
ご存知のように、現在は俳優として活躍している。
藤本氏はソウル、バルセロナと2大会連続で五輪に出場し、バルセロナの400mでは決勝進出、8位と日本男子初の入賞を果たした。
この時代、この種目には ハンガリー人のタマス・ダルニュイという競泳史に残る大選手がいた。
ダルニュイは、ソウル・バルセロナと200m個人メドレー、400m個人メドレーの2種目で2連覇 4個の金メダルを獲った。
その偉業故、20年以上昔のことながらバルセロナの個人メドレーはyoutubeにも映像がある。
若き日の藤本氏の勇姿も見ることができる。
▲バルセロナ五輪400m個人メドレー決勝の藤本氏
今年のリオデジャネイロ五輪では、間違いなく男子の個人メドレーが最も注目される。
というのも、ロンドン五輪の400m個人メドレーで若干17歳で銅メダルを獲った萩野公介と、2013年、15の世界水泳選手権で同種目2連覇の瀬戸大也の2枚看板を擁しているからだ
4月4日~10日 東京辰巳国際水泳場で競泳の日本選手権が開催される。
今年は、リオデジャネイロ五輪の選考会となる。
近年の日本選手権では、萩野公介が何種目にエントリーして、何種目に勝つかが話題となっているが、今年の萩野は、200m、400m個人メドレーと200m自由形の3種目に絞って出場する。
高校3年で、銅メダルを獲ったロンドン五輪の年の日本選手権こそ、2種目に出場し2冠だったが、
東洋大学に入学以降は、4種目から6種目に出場し、4冠以上をなし得てきたが、リオデジャネイロ五輪の今年は3種目のみの出場。
五輪代表を狙う力を持つ200m背泳ぎのエントリーも検討していたが、日本選手権、五輪ともに200m個人メドレーと日程が重なるため、出場を見送ると言う。
出場する3種目で、勝ちにこだわるということだろう。
昨年の骨折の影響はどうか、興味の尽きないところだ。
なお、リオ五輪ではこの3種目に加えて800リレーにも出場することになると思われる。
萩野公介の競泳日本選手権
●2012年 2冠 高校3年
200m個人メドレー1位、400m個人メドレー1位
●2013年 5冠 大学1年
100m背泳ぎ1位、200m背泳ぎ2位
200m自由形1位、400m自由形1位
200m個人メドレー1位、400m個人メドレー1位
●2014年 4冠 大学2年
100m背泳ぎ2位、200m背泳ぎ2位
200m自由形1位、400m自由形1位
200m個人メドレー1位、400m個人メドレー1位
●2015年 4冠 大学3年
200m自由形1位、400m自由形1位
200m個人メドレー1位、400m個人メドレー1位
●2016年 ?
200m自由形
200m個人メドレー、400m個人メドレー