強気の派遣標準記録を東京五輪でも採用するのだろうか
リオデジャネイロ五輪の競泳日本選手団は34名、これにシンクロ、飛び込みさらには男子の水球が加わるので、日本水泳チームはかつてない規模となりそうだ。
競泳34名の内、初出場が21名。
中学生、高校生も選ばれる一方、30歳を超える選手もおり、一見かつてない充実ぶりに見える。
果たして、本当にそうだろうか。
日本水連の定める派遣標準記録は、FINAの設定する五輪標準記録よりもかなり厳しい。
その中で34名もの選手が選ばれたのは、男女6種目のリレーに出場する条件を満たすことができたからだ。
一方で、男女の自由形の50mから1500m(女子は800m)の5種目で派遣標準記録を破ったのは、男子200mの萩野公介のただ一人。
女子の自由形で一人も派遣標準記録を破れなかったのはおそらく初めてだ。
シドニーでは50・100mに源澄夏、400・800mに山田沙知子が、アテネ、北京では800mの柴田亜衣が、ロンドンでは100mの上田春佳が標準記録を超えていたはずだ。
ロンドン五輪の際にも、自由形を中心に世界に後れを取っている点が指摘されたはずだが、この4年間はどう総括されるのか。
そして、東京五輪でも独自の派遣標準記録を採用するのか。
それとも、地元開催だから派遣標準記録を緩くするのか。
後者にしたなら、強化方針に一貫性がないことを自ら認めることになる。
▲競泳リレーの結果 2000年以降