NBCテレビが、リオ五輪の開会式の選手団入場の順番を変えるよう迫っているのだが
ブラジルの新聞によると、米国3大ネットワークの一つNBCは、リオ五輪の開会式の選手団入場の順番を変えるように圧力を掛けていると言う。
NBCはリオ五輪の米国内における独占放送の権利を持つが、支払った放映権は10億ドル。
1000億円を超えるとんでもない巨額だ。
Estados Unidosとはどこの国を指すかご存じだろうか。
何とポルトガル語でアメリカ合衆国を指す。
五輪の開会式において、選手団はアルファベットの順番に入場してくる。
ソウル五輪や北京五輪のようにアルファベットを使わなかった大会もあるが、リオ五輪はアルファベットを使う。
が、その言語が英語や仏語ではなく、ポルトガル語を使うというのだ。
選手団入場は、五輪発祥の国ギリシアが先頭なのは当然として、Eで始まる米国はかなり早いうちにマラカナンスタジアムに入ってしまう。
するとNBCにとって何がまずいか?
テレビを見ている人がチャンネルを変えてしまうのだ。
英語であれば米国はUSAでかなり後半に入場してくるため、NBCは視聴者をつなぎとめておける。が、早々に米国が入場してしまうと確かにチャンネルを変える人も多いだろう。
そのため、NBCは組織委員会に「英語にしろ」と言っているのだ。
1992年の夏季五輪は、スペインのバルセロナで開催された。
この大会の開会式で、選手入場の際に地元の女性が掲げた国名の入ったプレートは、英語、仏語、そしてスペイン語が書かれていた。
そして、入場の順番はスペイン語のABC順。
スペイン語でも米国はEstados Unidosとなり、米国の大選手団、特にこの時はNBAの大スターが初めて五輪に参加し、開会式にも揃って入場していた。
エストニアが入場し、続いて米国選手団が入ってきた。
国際映像はたっぷりと、マイケル・ジョーダンやラリー・バードの姿を追う。
2~3分は米国選手団がテレビ画面を占領し、興奮は最高潮に達したが、ゆっくりとカメラはエチオピア選手団に切り替わった。
すると、米国内でテレビ観戦していた視聴者はリモコンを片手にザッピングを始めたのである。
追記
リオ五輪開会式の入場順が発表された。
1番 ギリシャ
5番 ドイツ
15番 オーストラリア
64番 アメリカ
67番 ロシア
71番 フランス
76番 イギリス
101番 イタリア
103番 日本
154番 韓国
159番 中国
207番 ブラジル