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August 25, 2016

単純に喜べない史上最多 リオデジャネイロ五輪のメダル総数

先に閉幕したリオデジャネイロ五輪で、日本選手団は金メダルの総数で6位(12個)、メダルの合計で7位(41個)と健闘した。
特に総数の41個は前回のロンドン五輪を上回る史上最多である。

単純に喜んで良いのだろうか。

リオデジャネイロ五輪で実施された種目は306もある。
52年前の東京五輪は、日本選手団のメダルの総数は29個(日本選手団史上5位タイ)だったが、実施された種目は163に過ぎない。

当時は卓球も、バドミントンもテニスもテコンドーだってもちろん実施されていない。
メダル総数を実施種目で割ってみると、東京五輪は17.8%
(レスリングや柔道等は銅メダルが二人に与えられるので注意が必要。)
リオデジャネイロ五輪は13.4%に過ぎず、ミュンヘン五輪、メキシコ五輪、ロサンゼルス五輪よりも低くなってしまう。

ちなみに、やはり地元開催だった長野五輪の獲得メダル総数は10個だが、実施種目は68しかなく、割合は14.7%で3位になる。

Medal2020

地元開催がいかにメダル獲得に有利に働くか判るだろう。

2020年の東京五輪は、リオデジャネイロで行われた28競技に加えて、野球(1種目)、ソフトボール(1種目)
空手(8種目)、スケートボード(4種目)、スポーツクライミング(2種目)、サーフィン(2種目)の5競技28種目が追加実施されるので、合計320種目。

これのうち、日本選手団が1964年の東京五輪と同じ17.8%のメダルを獲得するには、なんと合計57のメダルが必要となる。

前回の東京五輪では、東京限りということで柔道が選ばれた。
事実、翌メキシコ五輪で柔道は実施されず、8年後のミュンヘン五輪で復活した経緯がある。

1964年と同じように2020年には日本発祥のスポーツ空手が正式種目に選ばれている。(2024年以降に実施されるかは未定)
空手は形(2種目)、組手(6種目)行われる予定だが半分のメダルを日本人選手が獲ったとしても5しか増えない。

組織委員会はメダル総数で世界3位を目指すとしているが、リオデジャネイロ五輪のメダル総数3位のイギリスが獲得したメダルは67個、この数字を超えるのはかなり厳しい。

*戦前に行われた五輪では、1932年のロサンゼルス五輪で日本選手団は、128種目中18個、1936年のベルリン五輪では128種目中19個のメダルを獲り、それぞれの割合は14.1%、14.0%とかなり高い獲得率だった。

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