今季も中心は44歳葛西紀明
ウィンタースポーツの季節になった。
男子のスキー・ジャンプは、今年も葛西紀明が中心である。
葛西紀明は1972年6月6日生まれの44歳。
1972年というのは、札幌五輪の開催された年だから、如何に長くこの競技を続けているかが判る。
1994年のリレハンメル五輪ジャンプ団体の銀メダリストの一人であるが、そこから20年経った昨年のソチ五輪の個人LHで銀、団体で銅メダルを獲った。
W杯に初めて参戦したのは、東海大四高校(現東海大札幌)1年時の1988/89シーズン、札幌大会に16歳6ヶ月の史上最年少(当時)で出場した。
それから27年、世界の第一線で飛び続けている。
この葛西の例は、ジャンプ以外のあらゆる競技を含めても異例であり、国内外からレジェンドと尊敬を集め称されている。
跳び続けたW杯の502戦は、もちろんギネス世界記録。
2位はフィンランドのヤンネ・アホネンの399戦、3位はスイスのシモン・アマンの357戦だが、100戦以上の差がある。
●ジャンプW杯出場試合数
①葛西紀明 502戦 17勝
②ヤンネ・アホネン 399戦 36勝
③シモン・アマン 358戦 23勝
④ウルフギャング・ロイツル 356戦 4勝
⑤ロアル・ヨケルソイ 350戦 11勝
マルティン・シュミット 292戦 28勝
マッチ・ハウタマキ 289戦 16勝
アンドレアス・ゴルドベルガ― 288戦 20勝
トーマス・モルゲンシュテルン 245戦 23勝
アダム・マリシュ 261戦 39勝
グレゴア・シュリーレンツァウアー 215戦 53勝
伊東大貴 241戦 4勝
船木和貴 238戦 15勝
原田雅彦 211戦 9勝
岡部孝信 215戦 5勝
宮平秀治 181戦 1勝
イェンス・バイスフロク 191戦 33勝
マッチ・ニッカネン 143戦 46勝
葛西は、2014年11月には通算17勝目を挙げ、W杯最年長勝利を42歳5か月に更新した。
2015年3月の昨季第25戦では3位に入り、最年長表彰台記録をも43歳8カ月に塗り替えた。
ほかにも通算勝利17勝は15位。
通算表彰台61回は9位。
10位以内に入った試合数は205回の2位など数々の記録を持っている。
恐らくは桁外れのプロ意識の持ち主なのだろうが、日本人選手で葛西に次ぐのが伊東大貴の241戦 4勝であり、その伊東も30歳を超えた。
葛西を超える選手が出て来ないことも長く活躍している要因のひとつだろう。