100mの手動日本記録保持者石沢隆夫さんが亡くなる
陸上100mの手動日本記録、10秒1の保持者のひとりだった石沢隆夫さんが亡くなった。
ご冥福をお祈りします。
●男子100m手動による日本記録推移と1999年までの電気計時
別表のように10秒1の日本記録を持っていた選手は7人(たぶん)。
石沢隆夫さんは、1973年の第1回アジア陸上競技選手権(マニラ)で3位になった際に、10秒1を出した。
ただし、10秒6だったという説もある。
このとき優勝したのが、アジアの『超特急』ラタナポール(タイ)。
ラタナポールは、1974年のテヘランアジア大会では、100m、200mの2冠に輝くが、この大会の200mで2位になったのが石沢隆夫さんだった。
先述のマニラで2位だったのが、同じくタイのスチュアート。
この人は1978年のバンコクアジア大会の100m金メダリストでもある。
この当時日本の短距離は、なかなかタイに勝てなかった。
陸上競技のタイムの計測には、現在行われている電気計時のほかに手動計時があった。
手動計時とは、簡単に言えば、10分の1秒までしか計測できないストップウオッチで記録を計るものだ。
1975年1月1日以降、400m以下のレースの世界記録は電気計時と手動計時の2本立てで公認されることになったが、翌年、1976年8月からは、400m以下の記録は100分の1秒単位の電気計時しか公認されないことになっている。