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August 08, 2017

ドーピングで1年間出場停止だった呂会会 女子やり投げメダルに挑む

世界陸上ロンドン大会5日目。
今日注目の種目は女子のやり投げ決勝だ。
日本から参加した海老原有希、斉藤真理菜、宮下梨沙の3選手の予選突破はならなかったが、注目の選手が一人いる。

中国の呂会会(Huihui Lyu)28歳だ。
呂会会は、今大会の予選でアジア新記録となる67.59mを投げ、1位で通過した。
2015年の北京世界陸上2位(66.13m)、リオ五輪7位(64.04m)など実績も十分、確実にメダルに絡んでくると思われる。

この選手の年別のベスト記録を見てみよう。

2017年 28歳 67.59m 世界陸上予選アジア新記録
2016年 27歳 64.04m リオ五輪7位
2015年 26歳 66.13m 北京世界陸上2位
2014年 25歳 なし
2013年 24歳 64.48m 
2012年 23歳 64.95m ロンドン五輪は63.70mで5位
2011年 22歳 58.72m
2010年 21歳 55.35m

22歳まで平凡な記録の選手だったのが、23歳の2012年に自己ベストを6m以上伸ばしている。
一方、2014年には競技会に出場していない。
果たして何があったのか?

2013年4月27日に、ヒドロクロロチアジドに陽性であると認められ、2013年5月24日から2014年5月23日まで1年間の出場停止処分を受けていたのだ。

ヒドロクロロチアジドはそれ自体が性能向上薬ではないが、性能向上薬の使用を隠すために使用され、「特定物質」として世界アンチ・ドーピング機関に分類されている。

恐らくは呂会会の場合、何らかの禁止薬物を使用し、それを隠すためにヒドロクロロチアジドを服用していたということのようだ。

今、陸上界はドーピング違反者に厳しい目が向けられている。
先日、ウサイン・ボルトに勝ったジャスティン・ガトリンが過去にドーピング違反をし、出場停止となった経験があることから、優勝しても祝福されないと伝えられている。
セバスチャン・コーを生んだ国だからか?
英国の陸上ファンは、特にドーピングに厳しいという。

元10種競技日本王者の武井壮氏がこんなツイートをしている。

呂会会はこのケースに該当するではないか。

呂会会がメダルを獲った時、ロンドンの陸上ファンはどう反応するのだろうか。


追記
●2017年8月8日 呂会会は銅メダルだった。
1位 バルボラ・シュポタコバ(チェコ) 66.76m
2位 李玲蔚(中国) 66.25mPB
3位 呂会会(中国) 65.26m

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