« ドーピングだけじゃない 陸上界を惑わす国籍変更選手 | Main | 桐生祥秀の9秒98はアジア歴代4位 »

August 23, 2017

アトランタ五輪の日本記録から21年、かつては世界に近かったマイルリレー

是非見て頂きたい動画がある。
2014年仁川アジア大会の陸上男子1600m(マイル)リレーだ。
日本チームは4大会ぶりの金メダルだったが、タイムは3分1秒88。

 

 

このときのメンバーが( 金丸祐三、藤光謙司、飯塚翔太、加藤修也)の4名。
先のロンドン世界陸上の4継銅メダルのメンバーのうち藤光、飯塚が入っているのだ。

200mのスペシャリストとして知られる飯塚は、この仁川のレースの40分前に4継の決勝も走った。
こちらは38秒49で、中国に次いで2位に入っている。

●2014年仁川アジア大会
マイルリレー
予選(金丸、藤光、高平、加藤)3分5秒53
決勝1位(金丸、藤光、飯塚、加藤)3分1秒88
4継リレー
予選(山県、飯塚、高平、原)39秒18
決勝2位(山県、飯塚、高平、高瀬)38秒49

このマイルリレーの3分1秒88だが、日本歴代9位の記録でしかない。
日本記録は21年前のアトランタ五輪5位入賞の際の3分00秒76。
歴代2位は、2004年アテネ五輪4位入賞の際の3分00秒99。
この時代は、4継よりもマイルの方が世界に近かったのだ。

Screenshot_20170823130322

まだ記憶にも新しいロンドン世界陸上のマイルリレーは歴史的惨敗といってもいいだろう。
準決勝2組で3分07秒29。
1人平均46秒8
転倒したボツワナにも負けただけでなく、金丸祐三が持つ日本高校記録45秒47からも遠い。

アトランタ五輪のメンバーの本来の専門は
苅部俊二 400ハードル
伊東浩司 100、200m
小坂田淳 400m
大森盛一 400m
であり、400mが本職だったのは2名のみ。
ちなみに大森盛一さんというのは、サニブラウンの少年時代のコーチをされていた方だ。
サニブラウンも飯塚翔太も400mに向いていると思うのだが、マイルリレーも走って欲しい。

日本歴代4位の3分01秒26は、1991年の東京世界陸上の予選で出したもの。
予選1組4位、全体でも9位で決勝には進めなかった。
この記録がマイルリレーの国内最高記録として現在も残っている。
破る可能性があるのは2020年の東京五輪だろうが、果たして誰がメンバーだろうか。

(追記)
もう随分昔の話だが、1984年のロサンゼルス五輪での日本チームのマイルリレーはこんなメンバーだった。

大森重宜、高野進、不破弘樹、吉田良一

本職の400mの選手は高野さんのみ。
大森、吉田は400ハードル、不破は100mの選手だ。

当時は予選、準決勝、決勝と3回走ったのだ。
それでも日本チームは準決勝までいった。が、3分10秒73という歴史に残る記録を作った。
不破弘樹は50秒かかって走り、「運動会みたいだ」といわれた。

 

|

« ドーピングだけじゃない 陸上界を惑わす国籍変更選手 | Main | 桐生祥秀の9秒98はアジア歴代4位 »