桐生祥秀の9秒98はアジア歴代4位
9月9日に福井市で行われたインカレで、桐生祥秀が100mに9秒98の日本記録を出した。
この記録は世界歴代99位。
アジア歴代では4位になる。
●男子100mのアジアランキング
①9.91 フェミ・オグノデ (ナイジェリア→カタール)
②9.93 ケマーリー・ブラウン (ジャマイカ→バーレーン)
③9.94 アンドリュー・フィッシャー (ジャマイカ→バーレーン)
④9.98 桐生祥秀 (日本)
⑤9.99 サミュエル・フランシス (ナイジェリア→カタール)
⑤9.99 蘇炳添 (中国)
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2014年仁川アジア大会100m決勝 優勝オグノデ 3位高瀬(右) 6位山縣(左)
アジア国籍の選手で9秒台を出したことのある選手はこの6人しかいない。
が、バーレーンの2人は元ジャマイカ国籍で9秒台を出した時もジャマイカ国籍。
バーレーンに国籍を移してからは、9秒台は出ていない。
オグノデは仁川アジア大会の100m、200mを制した。
100mの優勝タイムはセカンドベストの9秒93。
この記録はかなり将来に渡って大会記録として残りそうだが、サミュエル・フランシスともども元はナイジェリア人。
モンゴロイドで9秒台を出したのは、桐生祥秀と蘇炳添の2人しかいない。
桐生祥秀の9秒98はモンゴロイドとしてのベスト記録。
コーカソイド(欧州系白人)の最高記録はポーランドのマリアン・ヴォロニンが1984年に出した10秒00が長い間破られなかった。
このときの記録は9秒992から切り上げられて10秒00と発表されているのだが、現在もこのような切り上げ方をしているかは不明だ。
現在のコーカソイドの最高記録保持者はフランスのクリストファー・ルメートル。
2010年20歳のときに9秒97、翌年21歳のときに9秒92を出すが、その後は9秒台は出ていない。
全盛期は過ぎたとの声もあるが、昨年のリオデジャネイロ五輪の200mで銅メダルを獲った。
ほかにロンドン五輪の4継リレーの銅メダルも持つ、フランスを代表する陸上界のスター。
コーカソイドのスプリンターというとトルコのラミル・グリエフが記憶に新しい。
先のロンドン世界陸上で200mに20秒09で優勝したあの選手・・・。
もともとはアゼルバイジャン国籍だったが現在はトルコ国籍。
100mの自己ベストは9秒97、この記録はトルコ歴代2位だが、トルコ記録はジャマイカから帰化したジャック・ハーベイの9秒92。(ハーベイはコーカソイドではない。)
200mの自己ベストは19秒88。
インカレで桐生に次いで2位だったのが多田修平。
大阪桐蔭高時代のベストが10秒50だったというが、関学3年のインカレで10秒07。
一方の桐生祥秀は、洛南高時代に既に10秒01の日本歴代2位で走っていた。
東洋大4年のインカレで9秒98。
3年間に0秒43縮めた多田、0秒03縮めた桐生。
多田はが、朝原宣治さんが同志社大時代の24年前に出した関西学生記録、10秒19を超えたのも今年だ。
年の近いライバルがいるのはいいことだ。
2028年のロサンゼルス五輪くらいまで競い合うのではないだろうか。