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February 08, 2018

新・冬季五輪の記憶(9) 1/100秒を世界標準と考えるアルペン  1/1000秒までこだわるスケート

2014 Sochi

4年前のソチ五輪でアルペンスキーとスピードスケートで対照的な出来事があった。
2月12日、アルペンスキーの女子滑降が行われ、スロベニアのティナ・マゼとスイスのドミニク・ギザンが1分41秒57の同タイムで金メダルを獲得した。

その時の映像がこれだ。

スキー競技では度々、(W杯クラスでも年に1回くらい)同タイム優勝ということがあり得る。
それほど珍しいことではないが、五輪の舞台で起きたため大きく取り上げられた。
この日、NewTorkTimesのWEB版を見ていたら、五輪の公式スポンサーである SwissWatch 社の副社長がこの件でインタビューに答えていた。

『FIS(国際スキー連盟)は、1/100秒を世界標準と考えています。
余りに小さな記録に固執しても、その順位の整合性を保証できません。
これが、スキーという冬に行われる屋外スポーツの本質だからです。
タイムを1/1000秒まで見て、マゼとギザンのどちらが本当の金メダルだったかは我々も知らないのです。』

スキー競技は、各選手が同時に競技をスタートさせる競技ではない。
コースの状態、風、気温どの選手にも同条件であることなどあり得ない。
だったら1/1000秒まで公表して敢えて順位を付ける必要はない、という考え方だ。
妙に感心した覚えがあるが、その僅か3日後の2月15日にこうしたことがあった。

Screenshot_20180209113934


スピードスケート男子1500mで、ズビグニェフ・ブロトカが1分45秒006で優勝し、スピードスケートではポーランド初の金メダルとなった。
0秒003差の2位はコーエン・フェルバイ(オランダ)で、3位がデニー・モリソン(カナダ)だった。
金メダルと銀メダルのタイム差0秒003は、五輪のスピードスケート史上最も僅差である。

スピードスケートにおいては次のようなルールがある。
タイムは1/1000秒まで計測した上で、1/1000秒以下を切り捨てる。
1/100秒までで同タイムの場合は1/1000秒まで表示して、順位を決める。

かつては、スキーと同様に屋外のスポーツであったスピードスケート。
スキーとは対照的に必ず順位を決めるのだ。

が、非常にまれなことだと思うが、1/1000秒まで見ても同タイムのことがある。
平昌五輪にも出場する加藤条治が、2013年11月15日ソルトレークシティで行われたW杯500mで優勝した時の記録がこれ。
同着1位となっている。

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