小平奈緒 金メダルのタイムは今季8位
昨日のスピードスケート女子500mで金メダルを獲った小平奈緒の記録は、今季8位。
銀メダルの李相花、カロリナ・エルバノバの記録はそれぞれ24位、27位になる。
今でこそ、スピードスケートは室内リンクで行うのが当たり前の競技になったが、五輪で室内リンクが初めて使われたのは1988年のカルガリー五輪だ。
それまで、天候に泣かされてきたスピードスケートにとって革命的なリンクであった。
好記録が出やすい点と、天候によるスケジュール変更があり得ない点が、テレビ放映に歓迎された。
例えば、1984年のサラエボ五輪。
男子500mの当日、リンクには吹雪が舞い、何と競技開始時間が6時間も遅れている。
日本のエースでメダル候補だった黒岩彰は、その6時間中多くのマスコミを引き連れ、すっかり精神状態を乱し、10位と惨敗した。
1988年のカルガリー五輪以降、1992年を除いて、スピードスケートは、全て室内リンクで行われている。
が、ある要素によってタイムが大きく影響を受ける。
それは、標高。
高地にあるリンクの方が明らかに良い記録が出るのだ。
陸上競技と同様に、スピードスケートも、高地であれば空気抵抗が少なく好記録が出やすい。
ソルトレークシティのリンクは標高1425m、カルガリーのリンクは1034m。
この30年近くの間、世界記録はほぼこのどちらかのリンクで生まれてきた。
小平奈緒の500mの自己ベストは、ソルトレークシティで出された36秒50。
世界歴代3位の記録であり、今回の金メダルの記録36秒94よりも0.46秒も早い。
平昌五輪のスピードスケート会場の江陵オーバルは標高41m。
長野五輪の会場だったエムウェーブは標高342m。
4年前のソチ五輪の室内リンクは標高5mでしかなかった。
●1988年以降のスピードスケートが行われたリンクと標高
1988年 Olympic Oval 1034m
1992年 Stade de Patinage Olympique 331m(屋外リンク)
1994年 Stampesletta Idrettsplass 237m
1998年 エムウェーブ 342m
2002年 Utah Olympic Oval 1423m
2006年 Oval Lingotto 205m
2010年 Richmond Olympic Oval 4m
2014年 Adler Arena 5m
2018年 江陵オーバル 41m
今季のランキングを見ても、小平奈緒、李相花、カロリナ・エルバノバ、郷亜里砂の名前が目立つ。
昨日の500mは、有力選手が実力を出しきったレースだったいうことが言える。