スキーW杯 高梨沙羅は55勝 渡部暁斗は17勝
ジャンプ女子はドイツのオーベルストドルフで今季最終戦となる個人第15戦を行い、平昌五輪銅メダルの高梨沙羅が99m、102.5mの合計250.4点で2連勝。
自身のW杯男女歴代単独最多を更新する55勝目を挙げた。
W杯を冠したスキーの競技会は多く存在する。
アルペンスキーが最も古く、1966年~67年のシーズンに始まった。
他種目に比べても随分と古い。
当時アルペンスキー界は4年に一度の冬季五輪、2年に一度の世界選手権、そして3大クラシックといわれるアールベルク・カンダハー、ラウバーホルン、ハーネンカムの競技会があった。
この3大クラシックを含めて、アルペンスキーのシーズンの王者を決めようとW杯が始まった。
そのモデルとなったのは自転車のツールドフランスだったといわれている。
その後、他種目でも生まれたウィンタースポーツのW杯は、いずれもシーズンを通してチャンピオンを決めようとするもので、ジャンプが1980年から、クロスカントリーが1982年から、ノルディック複合が1983年のシーズンから始まった。
日本勢のW杯初勝利は1980年1月、札幌・大倉山で開かれたジャンプ90m級(LH)の八木弘和氏で、このひと月後のレークプラシッド五輪70m級(NH)で銀メダルに輝いた。
ざっと足してみると日本人選手が合計で175勝している。
(ただし、筆者が得意でないスノーボードは除く)
一方、世界の壁が立ちはだかるクロスカントリーとアルペンは未勝利。
55勝の高梨沙羅に続くのはノルディック複合の荻原健司が、92~96年の4シーズンで挙げた19勝。
今季8勝を挙げた渡部暁斗は通算17勝で、いよいよ健司超えが見えてきた。
45歳のジャンプの葛西紀明が17勝、長野五輪金メダリスト船木和喜が15勝と続く。
モーグルでは五輪で金、銅メダルを獲った里谷多英が2勝であるのに対し、五輪では4位が最高順位の上村愛子が10勝を挙げている。
男子のジャンプの最多勝はグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)の53勝、不倒の勝利数と言われたマッチ・ニッカネン(フィンランド)は46勝。
ノルディック複合では、ハンヌ・マンニネン(フィンランド)が48勝、かつて最多勝利だった19勝の荻原健司は9位まで落ちている。
ちなみにアルペン界での最多勝はインゲマル・ステンマルク(スウェーデン)の86勝。
これを超える選手は出てこないだろうと思っていたが、リンゼイ・ボン(女子・米国)が82勝で背中が見えて来た。