アジア大会陸上100mのはなし
ジャカルタアジア大会も後半戦、陸上競技が始まった。
中国だけでなくアジアの陸上競技は進歩しており、おそらく日本勢は苦戦するだろう。
有望なのは男子短距離だが、アジア大会において、100mの金メダルを意外と獲っていない。
それでも、最も印象深いのは、伊東浩司さんが優勝した1998年バンコク大会だ。
昨年桐生祥秀が9.98の日本新記録を出したが、伊東さんがバンコク大会準決勝で出した10.00が、随分と長い間日本記録として残っていた。
(決勝では10.05で金メダルを獲得している。)
伊東さんはこの大会で100m、200m、400mリレーと3冠に輝いたのだが、伊東さん以前にアジア大会の100mを制したのは、1970年大会の神野正英さんまで遡らなければならない。
また、伊東さんの以後も金メダルを獲った選手はいない。
70年代はなかなかタイ勢に勝てなかった。
カタールのタラル・マンスールは、1986年~94年まで3連覇し日本勢の前に立ちはだかった。
女子は、2010年の広州大会で福島千里が100m、200m、400mリレーの3冠を達成。
が、福島以前に、アジア大会の100mで金メダルを獲ったのは、1966年大会の佐藤美保さん。
表彰台と言っても大迫夕起子さんが銀メダルを獲った1978年まで遡る。
●アジア大会における100m優勝者と、日本人選手の最高順位
1966年 バンコク大会
男子)
①マニカヴァサガラン・ジェガセサン(MAS)10.49
②神野正英(日本)10.52
女子)
①佐藤美保(日本)12.3
1970年 バンコク大会
男子)
①神野正英(日本)10.5
女子)
①紀政(台湾)11.6←メキシコ五輪銅メダリスト
②山田恵子(日本)12.6
1974年 テヘラン大会
男子)
①アナト・ラタナポール (THA)10.42A6←アジアの超特急の異名を持っていた
②神野正英 (日本)10.55A
女子)
①ロチエスター・ロット(ISR)11.90A
③山田恵子(日本)12.42
1978年 バンコク大会
男子)
①スチャート (THA)10.44
女子)
①Ying Yaping(中国)12.20
②大迫夕起子(日本)12.21
1982年 ニューデリー大会
男子)
①ラブアン・ピット(MAS)10.68
女子)
①リディア・デ・ベガ(PHI)11.76
1986年 ソウル大会
男子)
①タラル・マンスール (QAT)10.30
②不破弘樹(日本)
女子)
①リディア・デ・ベガ(PHI)11.53
1990年 北京大会
男子)
①タラル・マンスール (QAT)10.30
女子)
①田玉梅(中国)11.80
1994年 広島大会
男子)
①タラル・マンスール (QAT)10.18
女子)
①劉暁梅(中国)11.27
④北田敏恵(日本)11.58
1998年 バンコク大会
男子)
①伊東浩司 (日本)10.05
女子)
①李雪梅(中国)11.05w
⑤新井初佳(日本)11.59
2002年 釜山大会
男子)
①ジャマル・アル=サファル(KSA) 10.24
②朝原宣治 (日本)10.29
女子)
①スサンティカ・ジャヤシンゲ (SRI)11.15→シドニー五輪銀メダリスト
2006年 ドーハ大会
男子)
①ヤヒヤ・ハッサン・ハビーブ(KSA)10.32
②塚原直貴(日本)10.34
女子)
①グゼル・フビエワ(UZB)11.27
⑥高橋萌木子(日本)11.85
2010年広州大会
男子)
①労義(中国)10.24
日本人選手は決勝に残れず。
女子)
①福島千里(日本)11.33
2014年仁川大会
男子)
①フェミ・オグノデ(QAT)9.93
③高瀬慧(日本)10.15
女子)
①韋永麗(中国)11.48
②福島千里(日本)11.49