大迫潔のマラソン日本記録は今季世界14位
10月7日、シカゴ・マラソンが行われ、大迫傑が日本新記録となる2時間5分50秒で3位に入った。
従来の記録は2月の東京マラソンで設楽悠太がマークした2時間6分11秒。
大迫傑が日本新、初の5分台を出して賞金の1億円を手にしたのは周知だろうが、このシカゴマラソンで世界を驚かせたのは、モハメド・ファラーの優勝だろう。
1983年3月生まれのファラーは今年35歳。
2012年のロンドン五輪と2016年のリオデジャネイロ五輪の5000mと1万mで金メダル4冠を獲得。
世界陸上の5000mと1万mでも金メダルだけで6個を獲得したウサイン・ボルトと並ぶ陸上界の超人。
昨年のロンドン世界陸上でトラック競技を引退、マラソンへの挑戦を表明すると、周囲の多くは反対した。
積み上げた名声を一気に失う可能性と当時34歳という年齢のためだ。
周囲の心配をよそに、今年4月22日のロンドンマラソンに挑戦すると2時間6分21秒で3位に入った。
初のフルマラソンだったが、1985年にスティーブ・ジョーンスが持っていた英国マラソン記録(2時間7分13秒)を33年ぶりに更新した。
このロンドンマラソンを2時間4分17秒で制したのが、エリウド・キプチョゲ(34歳ケニア)で、言うまでもなくリオ五輪の金メダリスト。
このキプチョゲが9月16日のベルリンマラソンで、2時間1分39秒の世界新記録を樹立。
デニス・キメット(ケニア)が2014年の同じベルリンマラソンで出した従来の世界記録、2時間2分57秒を大幅に更新。史上初めて2時間1分台に突入した。
今年1月に行われたドバイマラソン。
日本ではほとんど報道されていないが、M.ゲレミュー(2時間4分00秒)を筆頭にエチオピア勢7人が2時間4分台で走ったという驚異的なレースだったのだが、このゲレミューが先のシカゴマラソンにも出場、2時間5分24で2位、大迫のひとつ前にゴールした。
大迫傑の記録が今季、何位になるかというと14位。
が、現在の男子マラソンは、エチオピアとケニア勢に席巻されている。
上位20選手の内、エチオピアとケニア以外の選手は、モハメド・ファラー(英国)、大迫傑、設楽悠太(日本)、
ゲーレン・ラップ(米国16年五輪マラソン銅、12年五輪1万銀)の4選手しかいない。
五輪のナショナルエントリーのように1カ国3選手に絞ると、大迫は9位まで上がってくるのだ。