平成のスポーツの記憶⑤ 北島康介20歳 初めての世界新
平成14年 2002年
北島康介はその競泳人生において、4個の五輪金メダルを獲り、5回の世界新記録を出した。
世界記録は100m平泳ぎが3回、200m平泳ぎが2回。
その初めての世界記録が2002年釜山アジア大会の200m平泳ぎ決勝だ。
1982年9月22日生まれだからこのとき20歳。
日本人による競泳の世界記録は、1972年のミュンヘン五輪で金メダルを獲った男子100m平泳ぎの田口信教氏、100mバタフライの青木まゆみ氏以来30年振りだった。
2002年当時の世界記録は、米国のマイク・バローマンが、バルセロナ五輪の決勝でマークした2分10秒16。
ちょうど10年間更新されず、最も古い世界記録だった。
●男子200m平泳ぎ決勝
①北島康介 (日体大) 2.09.97 世界新
②木村太輔 (近大) 2.13.60
③ラタポ (タイ) 2.15.81
この年6月の日本選手権では、世界歴代3位の2分10秒64を出し、世界記録を視界に入れた。が、8月末に開催されたパンパシフィック選手権を右ひじ痛のため棄権。
挫折を経て成し遂げた世界記録だった。
この大会で北島は100 m平泳ぎ、200 m平泳ぎ、4×100mメドレーリレーの3つの金メダルを獲得。大会MVPに選ばれている。
ハンガリーのギュルタは、ロンドン五輪の200mを世界新記録で制したが、実はその8年前、アテネ五輪の同種目に、北島康介が金メダルを取ったレースでは若干15歳にして銀メダルを獲っている。
これは男子の競泳での最年少のメダリストだ。
ロンドン五輪では、ノルウェーのダーレ・オーエンが金メダルに最も近いと思われていたが、五輪の数カ月前に急死した。
ギュルタはオーエンの両親に金メダルのレプリカを贈っている。