44年ぶり東京五輪出場が決まったバスケットボール男子代表 48年ぶりの勝利なるか
2020年東京五輪で、男女とも開催国としての出場権が得ることになった日本バスケットボール代表。
女子はリオ五輪でも8位入賞を果たすなど実績を残しているが、男子代表は1976年のモントリオール五輪以来、44年ぶりの出場となる。
男子は、これまでの五輪に6回出場しているが、順位と勝利した相手国をまとめてみた。
すると、44年前のモントリオール五輪は、日本チームはひとつも勝利を挙げていないが、出場12か国中11位になっている。
果たして何があったのか。
この当時、アパルトヘイトと呼ばれる人種差別政策が南アフリカで行われてきた。
南アフリカでは、1948年、オランダ移民の子孫が政権を握り、白人とその他を明確に区別する人種差別政策を完成させた。
これに抗議して、各国はスポーツ、文化、教育交流などを禁じる手段を採った。
1964年の東京五輪にも南アフリカは参加していない。
1970年になってIOCは、南アフリカを除名し、文化・スポーツだけでなく経済面からも孤立していた。
ところが、
1976年 ラグビーのニュージーランド代表チーム(オールブラックス)が南アフリカ遠征を強行。
これに抗議したアフリカの22カ国が、モントリオール五輪をボイコットすることになった。
バスケットボールは、この大会から女子が正式種目となり、4年前のミュンヘン五輪の16か国から12か国に参加国は減った。
アジア代表が日本で予選A組、アフリカ代表がエジプトで予選B組に入った。
日本の試合結果は以下のようになる。
予選A組 日本の結果のみ
7月18日 カナダ 104–76 日本
7月19日 メキシコ 108–90 日本
7月21日 日本 56–97 キューバ
7月23日 日本 63–129 ソビエト連邦
7月24日 オーストラリア 117–79 日本
予選B組のエジプトは、7月18日にチェコスロバキアを相手に 64–103 で敗れると、他のアフリカ諸国に同調し大会をボイコット、2試合目以降を棄権することになった。
9-12位決定戦予備戦
7月25日 プエルトリコ 111–91 日本
11-12位決定戦
7月27日 エジプト 不戦勝 日本
予選A組を5戦全敗で終えた日本は、プエルトリコに敗れ、11-12位決定戦でエジプトに不戦勝となったが、実戦での勝利はないまま11位で大会を終えた。
実は、この前年の1975年 タイ・バンコクで、モントリオール五輪予選を兼ねたアジアバスケットボール選手権が開催されている。
中華人民共和国成立以来、初めて参加してきた中国が優勝。
日本は2位に終わっていたが、当時中国はIOCに復帰以前であり、2位の日本が五輪出場権を獲得している。
別表のように、1936年のベルリン五輪で、日本は中国(当時は台湾に逃げる前の中華民国)に勝っているが、戦後は、A代表同士の対戦では中国にほとんど勝っていない。