東京五輪 なぜ秋開催できないの?
東京五輪の開催の決まった2013年9月の朝日新聞に「教えて東京五輪」という記事が連載された。第一回目のタイトルは「秋開催できないの?」
IOCが夏開催にこだわるのは、テレビの放映枠で人気プロスポーツとの争奪戦を避けたいからだ。秋は欧州ならサッカー、米国は大リーグが佳境を迎え、アメリカンフットボールのNFLとも競合する。
中東カタールの首都ドーハは、酷暑を避けて20年五輪に10月開催で立候補したが、IOCは1次選考で外した。主な理由は「テレビ放送時間を確保しづらいから」と正直だった。
ロゲIOC会長(当時)に今年2月にインタビューした際、疑問をぶつけた。「せめて2000年シドニー五輪のように9月中旬の開幕は無理ですか?」
ふだん、選手本位の大切さを説く会長の答えは「難しい」と冷淡だった。
21世紀になって以降の夏季五輪は、見事に8月中に終了している。が、近年の夏季五輪の中では最も気象条件が良かったとされるシドニー五輪は、9月15日から10月1日まで。
更に言うならば、同じオーストラリアで開催されたメルボルン五輪は、1956年11月22日から12月8日だった。
シドニー五輪といえば、中田英寿を擁するサッカー日本代表は、準々決勝で米国と対戦、終始優位に進めたものの、PK戦で敗れた。
そういえば、このとき、イタリアが欧州予選を勝ち抜き、五輪本大会に出場したため、セリエAの開幕は10月に遅らせている。